
旧規格ってナニ?
軽自動車の旧規格は360cc、550ccはもちろんのこと、660ccでもボディがひと回り小さいサイズのクルマ。CT系ワゴンRやJAライフ、L600ライフなどがそれ。そんな、10年オチかつマニアックなスペシャルコーナーがこの“ウルトラ旧”なのだ。
オレ流オーナーのメッカ
なぜウルトラなのかと言うと、パーツもないしクルマも古いのに、中古パーツや自作で気合いの改造をするオーナーたちが多い世界だから。たいがい極低車高で、キャンバーにこだわってて、ヤンチャで、奥深い。それでいて、ちょっぴり年齢の高いオーナーたちが主流。苦労もあるけど、トレンドとかに左右されず、遊び心でクルマいじりをする。それでいて、ちょっとばかりゆるいドレスアップ、略してゆるドレをマイペースで実践。旧規格は、そんなオレ流オーナーたちのメッカなのだ。彼らの話を聞いていると、ベテランらしいウンチクがいっぱい。男の世界だね。
白石 幸生

平成9年式 AZ WAGON CY51S
●エアロ/カスタムオオフチ
●ホイール/プレセディオ デーモンキャンバー F:15×7.0+19 R:15×7.5-5
●足まわり/ボルドワールド アルティマ、純正アクスル加工
●ショップ/KJ-COMPANY(外装&内装)TEL.048-533-1170
●前回取材/10年8月29日 寺崎杯 ウルトラ旧
●前回取材/10年8月29日 寺崎杯 キタナ車乱
続・その後も紆余曲折が満載のVIPバニング
白石 幸生 埼玉県/EDEN in 東北三魂祭 2010.10.02
旧規格のKカーで、なおかつちょっとヤンチャなクルマを集めたウルトラ旧。そんなウルトラ旧初の2回目出場初オーナーが登場。それが、スタイル的には今や絶滅危惧種のバニングKを駆る白石さん。昨年8月の寺崎杯撮影時から、インテリアを中心に仕様変更した。しかも昨年は当サイトのこ汚い車内が集まるお笑いコーナー“キタナ車乱”にも転落。ところが、キタナ車乱にさえ紹介できなかった恥ずかしい秘密があって、D-upcar編集部が公開をためらった塗装パリパリのダッシュまわりという前科あり。「そうそうそう! それでクソーと思って全部やり直し(笑)。前回は自作だったけど(だからパリパリになる)、今回は特殊な塗装なのでプロにお願いしたの。張り替えじゃなくてファブリック塗装」。これは粉体塗装や植毛塗装とも呼ばれる、粉末状のファブリック生地を吹きつけるスエード調塗装を敢行。自作の多い旧車オーナーにあって、仕上がりの質にもこだわったのが今回の白石さん。平成9年式、14年落ちの旧規格車のバニングKは、絶滅危惧種ながら見事に復活~ッ! 「このリベンジの内装、見てよ」
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衝撃の3人乗り≫衝撃的な作り込みと言えば、リアシートを片方だけ取り払った3人乗り。2座席にするオーナーはいるが、3人乗りというレイアウトは珍しい。「エアサスタンクを立てたくて。でも斜めにしないとシートの高さを越しちゃうのネ。それでリアシートの片方を取り払って自分で箱を作っていれたの。オレの好きなデビルミッキーを入れて、横にはサブバッテリーも。塗装はお店で。それにウチ、3人家族だから。イベント行くのに3人乗れるようにしないと」
ファブリック塗装≫「ベースは紫なんだけど、赤も噴いていて、だからパッと見は紫なんだけど、よく見ると上が赤い」というダッシュボードやドアの内張りなど、ファブリック塗装をおこなった純正トリム類。キツいアールはもちろん、エアコン吹き出し口やスピーカーのグリルなど細かなところもスエード調にできるほか、調色できるという利点もある。
走り屋イメージ≫「ハンドルはビッグトールっていうやつ。グリップのカーボンはそのまんまなんだけど、真ん中のスポークの所を紫に塗った。φがゼンゼンちっちゃい走り屋イメージ。クルマはメチャクチャ遅いケドね!」
シート≫「シートカバーはクラッツィオのレザーとスエードのコンビなんだけど、CY用(つまりCTワゴンR用)っていうのはもうないので、4カ月待って作ってもらったの」と、シートは高級感を重視した部分。キツいアールをもつシートの台座カバーも、ファブリック塗装をおこなった。
USBがアピール≫「ケンウッドのヘッドユニットはUSBで音楽を流すの。オシャレでしょ。だから会場でわざと差してる。知らない人が見ると楽しいみたい」と、これはアピールポイント高。エビフライとか寿司のUSBもあると教えてあげると、「買おォっと」と盛り上がる白石さん。どこかのイベントで見かけたら、何が差さっているかチェックしてあげよう。
天井メイク≫「天井は単なる塗装ぉ~ッ!」と、ファブリック塗装を採り入れたとは言え、やっぱりいまだに塗装が好きな白石さん。一方、天井のグリップや留め具などにも徹底してファブリック塗装をおこない、純正部分をなくしている。
ピラーは塗装で≫ピラートリムはラベンダーパープルで自家塗装。ここだけ塗装にしたのは「全部レザーっぽくしたらたので、張り替えみたいになってつまらないから」と、質感の変化を作りだす。「みんなここを張り替えるけど、せっかくファブリック塗装をしたのに張り替えみたいに見えたら面白くないんで」と、足し算と引き算を上手に使いわける白石さん。
あえてちがう色≫「CTワゴンR用のフロアマットってもうほとんど出回ってなくて、型紙を持っているところをやっと見つけて作ってもらったの」と、基本、何を買うにももれなく苦労がついてくる旧規格車。「そこのは色が選べるので、マットはワインレッドでステッチは赤。統一されているようで、ちょっと統一されていないのが面白いかなって」
リアステージ≫内装とともに作り直したリアオーディオ。サブウーハーとミッドレンジはダイアモンドでそろえている。「音がキレイなのと、デザインが好きだから。シンプルでしょ。真ん中のアンプは古いパワーアコースティック。外向きのクルマが使うやつ。これは友人から譲ってもらった。中が見えるし、メーターも振れるし」と、今では希少になったシースルーアンプ。メーターの針が動くのも懐かしい。
暴走ライン、変形!≫「今までこのクルマにはタテのラインてなかったから、ここに暴走ラインをいれてタテ線を足した」と、レーシングストライプとも呼ばれる暴走ラインは、細い2本線と太線1本というトリプルライン。「もともとは太いの1本と細いの1本にしようと思ったんだけど、Kブレイクのデモカーがやっちゃったから、細いの2本にした」と“ひとヒネリ”。
慣性ドリフトライン≫ラインは直線が基本だが、白石さんはそこに“ふたヒネリめ”。「慣性ドリフトラインですよ!」と自身が命名した暴走ラインは、ルーフの右側から入って左に抜ける屈折ライン。しかも、片側2本の細線のうち1本が後部でドリフトを失敗して反対側に突きぬけるという“さんヒネリ”め。
さらに暴走ヒネリ≫バニングスタイルの命、リアゲートの全面パネル仕様は窓の鉄板溶接で実現。フロントからはじまり、天井でドリフトしたラインが、ゲート上で再び細線2本にコース変更。しかもフロントでは、ボディ外側の細線2本ではじまった暴走ラインは、リアでも外側の細線2本で終わるという帳尻の合わせ方はなかなかのアイデア。と、 “よんヒネリ”がリアで行なわれる。
暴走ラインはピンクの大理石調≫「暴走ラインは大理石模様。給油口にも使ってる。シルバーにピンクの透明のやつを貼ると、シルバーピンクになるじゃない。で、大理石ガラの透明のシートを特殊加工で作ってもらって、上から貼ったの。はじめはラップ塗装をしようと思ったんだけど、そうすると元に戻んないから。これに飽きたときのことも考えて。それに塗りだとみんなやってるから、貼りでやろうと。前、ボンネットに絵を貼ってたでしょ。ああいうのがヒント」
加工しなきゃつかない専用部品≫「前の仕様が飽きたから、自分でLEDをやったの」と、ランダムリレーで動く仕様。「上がハイビームのところで、下は紫でフラッシュしてる。器用でしょ(自信満々)! 血液型О型ぁ。社外のヘッドライトを加工して。これ、ワゴンRのCT用なんだけど、ボディ加工が必要になるヘッドライト。奥がデカくてフレームをブッタ切らなきゃなんない」と、車種用専用パーツでも、10年ほど前まではこういうのがよくあった。「だから誰もつけらんない。見たことないでしょぉ」と、やっぱり自信満々のО型人間。
バニングならブリスター≫イカツい前後ブリスターフェンダーやズラりと並ぶ丸テールは、バニングKの証し。80年代から90年代にかけて一世を風靡したドイツのチューニングメーカー、ケーニッヒ風のリアブリスターラインも目をクギづけにする迫力。
マルチピッチで100と114.3オッケー≫現行仕様ではホイールも交換。「もう廃版になっちゃったけど、旧車風だから旧車系のホイール。でもちょっとスポーティかなぁ。プレセディオデーモンキャンバーって判る? 走り屋が使うホイール。オレ、元走り屋だから。昔は180とかシルビアとか86に乗ってた」と、これは意外な新事実。走り屋がなぜバニングKに転身したのか。その面影がルーフの慣性ドリフトラインに残っている? しかもフロント7.0+19、リア7.5-5という超ディープ。「このホイール、ナットの穴がたくさんあって、マルチピッチって言って、100でも114.3でも履けるの。このクルマは100だけどサ。で、180とか86って114.3なのね。だから両方履ける」と、今でも走り屋が履くホイールなのだ。
ステッカーいろいろ≫「チョロQのステッカーは、よく言われるから作った。こっちのディアボロスっていうのはダークカラーの限定チーム。震災ステッカーは、ステッカーを作っている所の人が募金活動をしてて、このステッカーを買ってもらってそれを募金にしてます」と、ここだけ丁寧言葉になる白石さん。いいヤツだ。
ドレスアップは紆余曲折≫ということで、元走り屋にして、14年落ちのCY系AZワゴン(つまりCTワゴンR)に乗り続け、今でもVIPバニングを進化させる白石さん(写真右)。友だちの川崎さんと記念写真。“キタナ車乱”に掲載という自慢できない経験を経て、“ウルトラ旧”唯一の2度目登場で復活。「キタナ車乱の後は、ずっと車内はキレイだよ」と改心。そんな紆余曲折があるからこそドレスアップは楽しいのだ。しかし、なぜにディアボロス(魔王)とかデビル(悪魔)ミッキーとかが好きなクセに、チーム名はエデン(旧約聖書の楽園)なのか? それもまた、慣性ドリフトライン的な紆余曲折のひとつ。
香良洲のカッチャン

平成7年式 MIRA L500
●エアロ/F:チンスポ、R:330セド/グロ加工
●ホイール/タナベ スピードスターマークII F:13×8.0±0 R:13×8.5-8
●足まわり/しゃこうちょう!
ゼロ戦、大阪泉大津に舞い降りる!
香良洲のカッチャン 三重県/宝星 in キングオブKカー 2011.9.11
「ひと目でゼロ戦と判る平成7年(1995年)式ミラ。オーナーの香良洲のカッチャン曰く、「今回のテーマちゅうのは、きたなく、むさこく、いつでも突っ込めるように!」というまさに特攻精神。もちろん、ただオモシロイだけでなく、ボンネットやチンスポ、オーバーフェンダーなど、延長されたフォルムはバランスがよく、カッコいい。しかも「このイベントのためだけに塗った色やもんで、これから二十ナン種類いるゼロ戦の色を、全部総なめにしようと思っとるんです!」という試み。スゴイぞ! もちろんボディカラーはゼロ戦らしい暗緑色で、腹(サイドステップ)は灰色。「ボクは三重の人間やもんで、三交バス(三重交通)のグリーンにちょっと白を混ぜたら、ちょーど22型のゼロ戦と一緒の色になった」と、カッチャン自身の語り口も絶妙かつオモシロい。
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ホントは22型デス≫ボンネットはパテで延長。「ZER0-52っていうのは、ゼロ戦の52型っていう意味。ホンマは22型にするハズだったんけど、2の抜き板が1枚しかなかったので52型にした」と、急きょ型式番号のみ変更。
日の丸!≫「ハケ塗りやし!」という垂れ跡の残る日の丸も、南の島の航空隊のよう。「ホントは52型っちゅうのは、日の丸に白いフチがあらへんねん」と、ゼロ戦知識はバッチリ。
330に代わって86(意味わかる?)≫ヘッドライトはAE86トレノの社外品。「ホントは330とかのほうがよかったんやけど」というサンサンマルとは75年から79年に販売されたニッサンセド/グロのこと。街道レーサー御用達のヘッドライトだ。「でもミラには大きいもんで。たまたま手にはいったので86にした」
L200ミラ用チンスポ≫純正バンパーにはチンスポ装着。「これはL200ミラので、長いもんで、真ん中抜いて、グッと縮めてあるんです」
オイルクーラー蛇口つき≫街道レーサーお約束のオイルクーラーには、散水用?ホース接合。しかもフィッティングの代わりに蛇口!「みんなちゃんとつけとるけど、オモシロ味がないとアカヘンし、ボクは人から批判されることも大好きやもんで」という笑いまじりのアイデアを披露。
流星フェンダー≫トラックパーツの光りものを装着した流星フェンダー仕様! 楽しんで作っていることがうかがえる。
特注ピッチのホイール≫「ピッチがちがうもんで、SSRに頼んで特注で作ってもらったの」というマークIIはPCD110。13×8.0+13というフロントディープ。そんなホイールを包み込むオーバーフェンダーは「Zのだったかなァ。もう5年ぐらい前にこーたヤツやもんで……」
ウルトラディープ≫リアのマークIIはサイズが13×8.5というウルトラディープ。当然インセットはマイナスで-8。リアフェンダーの上の機体番号は、言うまでもなく……
リアビュー≫リアからの眺めがこれまたカッコいいゼロ戦ミラ。風雲急を告げる昭和18年誕生のゼロ戦の魂が、平成7年式のミラにのりうつり、大阪泉大津に舞い降りたかのよう。
チェリータイプ≫「これはトラック用のチェリータイプ」というテールレンズは、ニッサンのチェリーE10型クーペ(70-74)のテールレンズ社外品レプリカ。斜めづけすると怒り目になるので、改造車オーナーたちには人気のテールだった。
金華山、花格子!!≫「内装は金華山、花格子」という、歴史と由緒ある生地。しかも100パーセント全面張りという圧倒的な室内。そんなダッシュボードには蝶の形をしたトラック用レンズが舞い踊っている遊び心。「でも、ハッキリ言うたら、張っとるときのほうが楽しい。張ってしもーたらオモシロない。もーやることがなくなったっちゅうかぁ……、つまらん!」と、ちょっとばかり寂しそうなカッチャンは、クルマいじりが心底好きなのだ。
特性ビニール張り≫こちらも花格子に張り替えたシート。そのシートの形にしつらえた厚みのあるビニールを被せている。「金華山は潰れやすいんですよ。服に粉みたいな生地もつくもんで」
圧倒的、張り替え≫天井はもちろんピラーやドアに至るまで、全面花格子張り! ここまで張りこまれると車内はもう別世界。
リアラゲッジ≫もちろんリアラゲッジも全面花格子。シートの裏まで張りこまれている。広いリアスペースには、暁(耳つき)のチームフラッグが広げられていた。
花格子灰皿≫旧車オーナー必須の灰皿。「定番ですよ」とカッチャン。これも金華山張りのゴージャス?仕様。メチャ楽しい!
スペシャル扇風機2011夏≫「エアコンの吹き出し口は真ん中だけ残っとるんやけど、風向きが変わらへんもんで。横にトシキが乗ってくんのに暑いかなと思ってつけただけ」と、連れを気づかう優しい香良洲のカッチャン。写真が、そのトシキ君。「で、帰ったら外します」というトシキ君スペシャル扇風機2011年がんばっぺ東北、節電の夏仕様。
重要ですよ≫「これ重要なんで、撮ってください」とアピールしてくれたトシキ君。なので、チームステッカーとがんばっぺ東北ステッカーをパチリ。
9月11日仕様≫「これも今日のために塗ったんですよ」というリアゲートにはキングオブKカーのステンシル文字。こういう心遣いが、主催者はうれしい。
みんな一緒に飛行隊≫ゼロ戦乗りの香良洲のカッチャンは顔NG。代わって、仲間みんなが愛機を囲んで記念撮影! 香良洲のカッチャンと愉快な仲間たち。ラバウル飛行隊ならぬこの日の前線基地、泉大津飛行隊。
道楽社長
平成2年式 CAROL AA6jA
●ホイール/F:ガジェットアラシ14×6.5、R:エクイップ01 15×7.5
●足まわり/スズキスポーツ アルトワークス用
●ショップ/道楽(鈑金屋ドーラック)TEL.0776-30-1989
道楽社長のオモチャは、本気で作った遊びのクルマ
“道楽社長”藪下利幸 福井県/道楽 in キングオブKカー 2011.9.11
「このクルマ、キャロルです」と、まず最初に車種名の確認から入らなければいけないからややっこしい。それが福井県のプロショップ、ドーラックの道楽社長こと藪下さんが、半分遊び、半分本気で作ったドリフトマシン。というよりも、本気で遊ぶためのクルマ。「誰も判ってもらえないし、信じちゃくれないクルマです。あれワークスじゃん、って言われてそれで終わり。キャロル(89-95)、古すぎますから!」という、正体不明なクルマは、ベースはマツダのキャロルながら顔面はアルトワークスというニコイチ。マツダキャロルは、スズキアルトとエンジンやプラットフォームを共通に、マツダがボディをデザインしたクルマ。つまりキャロル×アルトワークスの“親戚同士”をニコイチにしたのだ。「ボンネットはアルトワークスをポンづけなんやけど、フェンダーはニコイチ。ヘッドバッフルはワークス用をつけないとヘッドライトの足とか出てこないから。要はヘッドライトの後ろのフレームをワークス純正に溶接しなおして、フェンダーは上っツラからアーチの一番前のバンパーのつけ根までをワークスで、アーチはキャロルでニコイチ」。そのうえ「マツダAZ-1のツインカムエンジンを載せ換えの、スズスポタービン、足まわりもスズスポ改。このスズスポの足っていうのはアルトワークス用で、キャロルもアルトも年式が同じなら、みんな流用できるんだよね。コンピュータもスズスポ、前置きインタークーラーはワンオフ、エアコンは取ッ払い。あとメーカー不明のタコ足にゼロヨンマフラー。7点ロールケージ、フロント殺してFR化」という四駆車のリア駆動二駆化を敢行の荒ワザ。バリッバリの戦闘機なのである。
詳細記事&写真
リアは真正キャロル≫リアから見ると、フロントウインドウやドアから後ろはキャロルのままという姿。そのうえあり得ないことに、ガルウイングという離れワザも高々と跳ね上がる出来栄えが逸品。さらに「ドリフトやってるので、前後ホイールを変えたほうが判るかなぁと思って」と、フロントには懐かしいガジェットアラシ14×6.5。リアは旧車系オーナー御用達のエクイップ01、15×7.5というツッパリホイールの二乗。「フェンダーは叩き出しちゃってるので白ナンバー」。リアウイングは空力を得るため、ルーフ後方に位置どってステーで支持する本気モードだ。
ベロンベロンのタイヤ≫ドリフトに使ってトレッド面がはがれたタイヤ。その横のアライのメットも自慢の品。「懐かしいでしょ、この古いヘルメット。初期モノのロットだと、このラインなんでよ。流行ったんですよね、このライン」という時代モノ。古めかしい形もいい味。「今じゃアンコ抜けして、スポンジしか入ってないけどね」
職人気質≫と言うワケで、楽しい自動車生活を満喫中のドーラック、藪下さん。職人気質のクルマ作りは、実はラインや面出しが絶品。D-upcar.netでも09年8月の寺崎杯でカバーカーになった窪田尚美さんのMH21ワゴンRを製作。あのボンネットからバンパーのVラインに続くライン出しは、今思いだしてもゾクゾクするほどの出来映え。しばしばD-upcar.netに乱入する名物社長で、今回は野澤真理さんのレポートにも顔を出す。実は昨年夏からはじまったこの“ウルトラ旧”コーナーを、一等最初にオモシロイとホメテくれたのが道楽社長。そんな道楽社長が、自分で楽しむために作ったクルマがこのキャロルなのだ。
信岡 龍一
昭和48年式 PORTER CAB PC3A
●ショップ/南ステンレス
360ccポーターキャブのデコトラは“未亡人商店”
信岡 龍一 兵庫県/未亡人商店 in みっきぃ祭り 2010.8.7
まさに“絶句”したのが、このデコトラポーター。昭和48年式といえば、西暦1973年、38年前のクルマ。このポーターキャブは、同じイベントで取材したチーム流星さんの550ccとはことなり、1967年から77年まで生産された360ccの軽トラ。「48年式のクルマの中では、おそらく年間稼働率ナンバーワンのはずです! これほど走り回っているクルマって、いないでしょうねェ。ガソリンエンジンのツーストですよ。エンジン、もってるのが不思議なくらいです」という骨董品。普通ならレストアしてノーマルのまま楽しむオーナーが多いポーターを、あろうことがデコトラにリメイク。「デコトラ、好きですね」。ボディは黒、ドアとヘッドライトのリムは白という塗り分けも、国鉄時代の通勤電車を思わせる昭和の香り。
詳細記事&写真
好奇心を刺激する≫圧倒的な存在感と、好奇心を刺激してくれるリアビューは、黒いボディに白いフチどりの赤文字。「未亡人商店っていうのには、特に意味はないんです」という信岡さん。そう言われると、さらに興味が湧く摩訶不思議な店舗名。しかし、デッカく書かれたマル亡印しは、あまりにも視線を集め過ぎ。
特製ベニヤ板≫リアに貼られた黒塗りのベニヤ板。「そこはあまり突っ込まれたくないとこなんです。ほんとはね、アルミ合版かステン張りたかったんですけど、金がないんでとりあえずベニヤ張ってます」とは言うものの、この究極感はベニヤだからこそ出せるワザ。
バスのアンドン≫ベニアの頂上にはバスのアンドン。「サニトラに乗っとった連れが、自分バスのアンドンあるけど、つけるんやったらただであげるでェ!って言うから、ンならつけるって言って、もらってつけたんですよ。ブレーキ踏んだ瞬間、バカウケやし」
ステキな発見がいっぱい!≫あまりにも過激すぎのリアまわり。ポーターの丸テールは斜めづけ。当時モノの白ナンバーには、お約束の吊革発見。戦時中の軍務日誌に書かれていたような書体で年式が書かれる一方、ナンバーの上には“走る第三艦橋”の文字。ちなみに第三艦橋とは『宇宙戦艦ヤマト』の艦底からぶら下がる予備艦橋(操舵室)のこと。どちらかと言うと、「閑職に左遷」「修羅場に異動」という意味がある……らしい。
デコトラデッキ≫天井にはデコトラ用のデッキを搭載。「トラックのこういう飾りは1台1台、みんなワンオフでね」と、場末の飲み屋街のネオンサインやスナックの電飾にありそうな灯火も雰囲気十分。
野蛮な感じ≫「このクルマが作られた70年代当時のトラックって、こういう飾りなんですよ。日野のエンブレム流用とかって、ちょっと野蛮な感じの飾りなんです。菅原文太の『トラック野郎』を観てもらったら、それに出てくるような。バンパー2段も、当時のデコトラの流行りなんですよ」
合せホイールと四輪ドラム≫「ホイールは純正です。でね、ホイールそのものはこんだけなんです」と教えてくれたのは今で言うリムの部分。「裏リムと外リムをボルトであわせてあるんです。いわゆる合せホイールっていうヤツで、昔のクルマはこんなんが多いんですよ。ディスクにあたるところがブレーキドラムです」という時代の最先端を行く四輪ディスクとは真逆の、純正四輪ドラム。
リアは純正ディープ≫リアはディープリム、純正! 「ドラムはねェ、メタリックレッドに塗ろう思って缶スプレー買ってきたらね、キショク悪いビミョーな色になったんですね。もっと真っ赤っかがよかったんですけどねェ。でもみんなには、雰囲気出てるしィって言われるんですけどね」
さらば地球よ♪ 旅立つ男≫昭和48年式ポーターを、いい味に仕上げた信岡さん。クルマにピッタリな風貌もさることながら、関西人らしく、しゃべりはじめると面白い。それでいて、愛車に未亡人商店と書き込む独特のセンスの持ち主。ボディに書かれた数々の言葉は、プロのライター顔負けの才能あり。ちなみに、ベニヤ板のマル亡マークの右に書かれた「今、万感の想いを込めて……」という一説は、『銀河鉄道999』の予告ナレーション。第三艦橋といい、松本零士のファンですか?
チーム流星

昭和59年式 PORTER CAB PC56T
●ホイール/ハヤシストリート F:10×4.0 R:10×4.3
●ショップ/カスタムカーショップ流星プロジェクト
田んぼから発掘、ディープに楽しくカスタム♪
チーム流星 PORTER CAB PC56T 兵庫県 in みっきい祭り 2011.8.7
レストアとカスタムを楽しむ、オーナーの沼田祐司さんと、そのお父さんの賢史さん。個人でクルマ制作を楽しんでいる“チーム流星”。その二人が手掛けたのが、昭和59年式、つまり1984年式のマツダのポーターキャブ。「誰もやっていないポーターを作りたいと思ってね。ボクはみんなと同じクルマに乗るのは大っ嫌いなタイプなんで、世界に一台だけ仕様とか、自分仕様にしようと思ったんで。親父もちょこちょこさわってくれますしね」と祐司さん。賢史さんによると「もとは岡山の田んぼに置いてあったやつを2万円で手にいれたんです。行ったら、ホンマにボロかったです。不動車で、ダイナモなしにベルトなし、マフラーなし、エキマニなし、ナンモなし。運転席の足もとには草が生えていて、ラジエターには半分泥が詰まってましたワ。でも、下のフレームまわりはキレイでしたよ。だから買ったんです」と、レストアを含め、ベーシックな制作に7カ月。ボディカラーは祐司さんが選んだマツダデミオの純正色、スピリテッドグリーンメタリック。「ラメだとギラつくので、ガラスパウダーを混ぜて輝くようにしています」と、田んぼから発掘したポーターキャブを、ディープに楽しくカスタムした。
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ポーターキャブ≫マツダのポーターキャブは1969年に発売された360ccのギャブオーバーで、77年には550ccにモデルチェンジ。正式名称がニューポーターキャブとなって89年に販売を終了。チーム流星のポーターキャブは、550ccの1984年式だ。「ポーターはエンジンがよく変わったんですよ」とはお父さん。「で、これは一番いい時のチェーン駆動のエンジンなんですわ。けっこう強いエンジンなんです。調子もいいしね。このクルマの翌年にタイミングベルトになったんですけど、それが調子が悪かったんですよ」という出物なのだ。
ヘッドライトはシビエに変更≫「純正のヘッドライトは暗くて検査が通りません」と言うことで、丸目のヘッドライトはフランスのCIBIE(シビエ)に交換。取りつけ位置などが合わないので、ライトの裏にアルミでボードを作って装着。その周囲を囲む幅の広いリムも、この時代のKトラックの特徴。ライトグレーがかった石目調に塗装している。
石目調ペイント≫「ゆがんでいたバンパーは、引っ張って直したんです。それにヘッドライトのリムやバンパーを真っ白にしたら、目立ちすぎて目がそこに行ってしまうんですね。だから白にちょっと黒をいれて濁らせてから、クリアにガラスパウダーを入れて吹いています。そうすると石目調になるんですよ」と、よくみると粉を噴いたような質感。
70年代のマツダマークをレプリカ≫「ナンバーのネジまでは誰も見ぃひんけど、マツダの古いロータリーマークにしたりとかね。当時のマークのレプリカで、オーダーメイドで作ってもらったやつなんですワ。昔のカペラ(70-02)とか、サバンナRX-3(71-78)とかの時代のロータリーエンジンのマークです」とは息子の祐司さん。もちろんナンバーは排気量の550ccなのだ。
今や希少なパーキング灯≫ボンネットにつく純正の丸いウインカーはスタンレー製。「昭和60年まで、ここにパーキング灯っていうのがついていたんですよ。フロントとリアに合計4つ。クルマを離れるときに点けるハザードと役目は同じですけど、点滅じゃなくて点きっぱなしなんです。キーの横にあるボタンを押して光らせておいて、クルマに戻ったらキーを入れてスタートさせると消えるようになっているんです」と、いう古い機能。ただし現在はアウディなど、採用されているクルマもある。動画で紹介しているのは、上がポジション、下がパーキング。ウインカーの中に2灯組み込まれているのだ。
時代物ワイパー≫心細いほど華奢なワイパーはもちろん純正。マニアなオーナーの間では、これだけでも価値がある。「フルさを感じるし、いい味が出てるでしょ?」とは、お父さんの賢次さん。
涼しくない三角窓≫昭和のクルマに懐かしい三角窓。風が入らないことでは有名だった代物だ。時代を感じさせる部分でもある。
ベンチレーター≫「ここを開けると風がはいるんですよ」とは、フロントバンパーの上にあるベンチーレーター。ちょうど運転席の足元に風を入れこむ喚起装置。古いトラックや1ボックスには、このベンチレーターのある車種が多かった。
非対称ミラー≫サイドミラーは純正。よく見ると、ドアミラー右側に対し、左側のミラーは視認性を高めるためにフロントウィンドウの前に取りつけられた非対称。ここも石目調塗装された。
ルーバー補修≫キャビンの後ろ下に切られているルーバーも純正のまま。「ここはぶつかって曲がっとったんですわ。それを叩いてもとに戻しました」
往年のハヤシストリート!≫往年の名ホイール、ハヤシストリートの10インチ。「このポーターはピッチが100なので、古いホイールではなかなかサイズがないんですよ。110とか120ならこのサイズでもあるんですけどね。やっとネットでみつけました」。しかも、スポークの奥を見ると赤いドラムブレーキ。「4輪ともドラムです。だからぜんぜん効きません。そのくせ雨が降って湿ったときは、ガコーンッ!て効くんですわ。でも乾いたときはさっぱり効きません」という足まわり。「車高は強化バネを入れて落としてます。それに車高を下げないと、純正の鉄チンホイールを履かせても、ボディから気持ちはみ出しているんですよ。モトからそんなんですから、当時は検査も通ったんですよ。でも、純正から5センチも落ちてないですよ。ポーターって今のKトラに比べると、低かったんですね」と、タイヤホイールはフェンダーの中で雰囲気よく収まっている。
純正カギつきキャップ≫「今日はガソリンのタンクキャップを換えてきました。ポーターの古い年式には、キーがついてないんですけど、実はパッキンが悪くなってガソリンが漏れたので、キーつきの純正キャップを探してつけました」
リアビュー≫ポーターキャブの純正フォルムを活かして、リアまわりはソフトにドレスアップ。丸テールの斜めづけをはじめ、バイク用マフラーや、ハヤシのホイールで雰囲気十分の出来栄え。中でも視線を集めるのが泥除けだ。
視線の集まるmマーク≫「泥除けはゴムを切って、上からカッティングを貼りました。ポーターに乗っている人は、泥除けにmマークだけつける人が多いんです。でもみんなと同じになってしまうので、マ・ツ・ダって、わざとカタカナを入れたんです」
46年式のロゴ!≫「フロントウインドウのトップに貼られたマツダの英字ロゴは、昭和46年式のポーターキャブを再現した自作のカッティングです。リアのロゴの方は48年式ですよ」
こっちは48年式ロゴ!≫「リアのマツダのロゴは48年式のカタカナのヤツですね。最大積載量のステッカーは、当時の純正です」
純正でバッドテール≫テールランプは純正。ただし上下逆さまにしての斜め装着。「こうすると、夜ブレーキを踏んだ時に、目が赤く光って怒っているように見えるんです。ところがこの純正レンズは、下に水抜きがあるんですよ。でも逆さにすると水がたまるので、ちょっと切って水抜きを作っています」
バイクマフラーはCBX≫マフラーはバイク用。しかもホンダCBX(78-82)を使っているというから、またシブい。「ぶった切って、センターを通るように溶接してつけました。後ろからはみ出さないようにするため、斜めにつけているんです」
運転席≫純正ベースのキャビンは、“当時モノ”のオーディオを積み、シートはラフに張り替え。「ダッシュボードは生きとったんで、そのまま使ってます。グローブボックスのふたは、ステンレスに換えました。ポーターキャブにバイザーモニターを入れてるのは、ボクの友だちのとこれくらいですね」
骨董品オーディオ≫ダッシュボートには後づけオーディオを設置。ただしこれがまた骨董品。「30年以上前のかなぁ。パイオニアのスピーカーに、真ん中のが富士通のカセットデッキとイコライザーです。最近、カセットテープっていうものがないでしょ。今もちゃんと鳴るんですよ」と、グローブボックスから取り出したカセットを差し込んで、演歌をきかせてくれた賢史パパ。「いい味、出てますやろ!」
純正ラジオ≫「こっちのデッキラジオも鳴ります。当時のままの純正です」というクラリオン製。スイッチを入れると、AMラジオから流れるDJ(今風に言えばパーソナリティ)の声に、心なしか昭和の響きがあるような……。
親子カスタム≫写真中央がオーナーの祐司さん。サニトラも所有。“ギュッ詰めギャラリー”で見ることができる。写真左がクルマ制作を手伝ってくれた、お父さんの賢史さん。二人そろって大のクルママニア。
間野目 隆行

昭和62年式 MINICA H14V
●ホイール/エクイップ01
●足まわり/イデアル車高調
●ショップ/TセレクションTEL.0224-51-3325
取材協力:『Kカースペシャル』編集部 山P
大人のイタズラ心を刺激する、街道レーサー国道4号線仕様!
間野目 隆行 宮城県/帝世麗心愚 in ACG 2011.7.18
かなりヤンチャな昭和62年式(1987年)のミツビシ5代目ミニカ(84-89)。そんなクルマが、今回のACGにデビューした。制作コンセプトは「ちょっと、ふざけて」。トリコロールをベースに、ボディカラーに黒金のストライプを加えた独創的?な色づかい。「まぁこれも、ふざけてたので……。派手だったらいいかと」。もちろん純正部品がとうに尽きた24年オチ。「もう廃盤の部品もありました。タービンのところのガスケットとか。そのまま使いまわしちゃいましたけど」と、このあたりもユルく構えるGOING MY WAY。御法度の竹槍マフラーや金属の灰皿、ポピー搭載など、ユルい遊び心、大人のイタズラ精神も満点。ミニカのオフ会に行っちゃったりすると、みんなに引かれること間違いなし。しかし中身はサウンド競技出場を目指すガチガチのオーディオマシン(制作中)。足まわりは長距離遠征をものともしないイデアルの車高調入り。9月4日に岡山県で開かれるACG中国が、当面の完成予定とか。
※ミニカは1962年に生産を開始したミツビシ初の軽自動車。98年から生産開始された最終型まで実に8代目を数える。13年続いた8代目は11年6月30に販売を終了。同時に49年にも及ぶミニカの歴史に幕を降ろした。
詳細記事&写真
竹槍に長距離走行用フットワーク≫サイド出しの竹槍マフラーは、上部のステーと下部のパイプから外すことができる脱着式。イベント会場の入り口で取りつけることもできるので、便利! 「ローダウンはサスカットじゃないんですよ。イデアルの車高調を無理やりつけてますから」という、全長調整式、減衰力36段、軽量アルミボディという優れモノ。車高調が車両価格を上まわるというゴージャスさ。狙いはイベント遠征だ。
顔まわり≫浮かせたボンネットは空き缶でつっかえ。こういうディテールも、雰囲気を高める重要部分。カッコをつけてワンオフ部品で開けてはいけない。ブラックアウトされたヘッドライトとグリルのパネルには、絶妙にラメが吹かれている。ちなみに、素っ気なく四角いヘッドライトが懐かしい昭和のクルマ。
オイルクーラーと3連ラッパ≫「オイルクーラーはダミー。買ったんです。新品です」と、ステンメッシュのホースをアルマイト仕上げのフィッティングでつなぐ精悍な出来栄え。ナナメづけした3連の突撃ラッパも勇ましい。もちろんホースは目に突き刺さる真っ赤っか。
手書き……≫バイザーデカールは、とりあえず努力の痕跡とメッセージ。好きなことを手書きで書いちゃうゾ、という新発想を披露する。
よみがえった室内≫ダッシュボードは塗装。内装全体はパープルをメインにまとめている。ドアトリムの張り直しや、純正シートの張り替えで、室内は24年オチとは思えないほどよみがえる。
シート張り替え≫シートのレザーはザラリとした目の粗い生地で張り替え。「クルマもクルマなんで、古っぽさを出しつつキレイに」と、サイドサポートやセンターパートの白いパイピングでデザイン性をアップ。ヤンキー心も刺繍で倍増。
純正! ボタン選局式ラジオ≫「純正です! ラジオですよ、ラジオ! やっぱりこれは残しておかなきゃいけないパーツです」と、ボタン選局式の通称ガチャガチャラジオ。「AMだけじゃなくて、FMもあるんですよ!」。当然、リアに組まれたオーディオ用のユニットは、見えないようにグローブボックスに隠している。
ドア内張り≫「ドアの内張りは、純正がビニールっぽいレザーで、ペラペラのボロボロだったので、パネルを作ってスエード生地を貼って、ビス止めです。純正がクリップで留めているだけなので、その穴位置を使ってビス止め」と、シャープなエンボスデザインもトンガリ感満点。ここに丸味をつけると、逆に現代風になってしまうところ。角張った構成のダッシュボードにもよく似合う。
水中花≫懐かしい昭和のアイテム、水中花! 「今じゃぜんぜんイケてないですけど、シフトノブと言えば水中花だろうと」。ちなみに、今をときめくおばさん女優、松坂慶子が(たぶん)一番ヒットさせた持ち歌も『愛の水中花』。歌詞は五木寛之と言うからスゴイ。
鉄の灰皿≫これも懐かしいスチール製の後づけ灰皿。「これはウチの社長の趣味なんで」とは、Tセレクションの日下社長のこと。この日は甚平を着て助手席に便乗して登場。箱乗りして入ってきたとの噂もあるが、真意は不明。
クルマにポピー♪≫「やっぱり芳香剤はポピーっスよ」と、選んだ香りもオッサンの乗っている不人気色のカローラに似合いそうな恐るべき色のボトル。愛され続けて30年。
オーディオ制作中≫リアシートをつぶした後部には、作りかけの巨大なエンクロージャーに、これまた巨大なサブウーハーを4発マウント。実はこのミニカ、ACGの競技車両という使命もあるのだ。
キック≫ツーウェイのキックスペーススピーカーも造形中。Kカードレスアップでは少ないが、スピーカーの正面から音を聴くことで、よりいい音、臨場感のあるサウンドを再現できるのだ。
デッドニング≫天井にはイースコーポレーションのデッドニング用防振剤レアルシルトが張り込まれている。23年オチのボディには、最先端のサウンド処理が行われているのだ。
ミッキーの吊り革≫正統派は国鉄の吊り革。決してJRなどと呼んではいけない。ただしユルい大人はミッキーの吊革? 「まあ、電車の吊り革をつけたくて探していたんですけど、タマ×タマ、ウチの会社の子のクルマにこれがついてたんで、じゃぁ、とりあえずこれでいいだろうと。クレ、と。吊り革は吊り革だ、と。あえて、そこは、いいだろうと」
長谷川 和弥
平成5年式 VIVIO KK4
●エアロ/F:純正バンパー+DADニコイチ加工、S:アコード用加工、R:純正バンパー+プレオ+アルト用サンコイチ加工
●ホイール/スピリッツEU-ss12 F&R:16×6.5+53
●足まわり/JIC車高調加工
深くディープに作り込む、ユーロ系モダン旧車
長谷川 和弥 山形県/庄内660 in 山形ヒッツ 2011.6.19
「この形が好きなんです」というヴィヴィオは92年から98年まで生産された旧規格車。長谷川さんの愛車は平成5年式、1993年製の18年オチだ。「エンジンも4気筒だし、軽自動車はスバルプレオと並んで4輪独立サスだし、珍しいし、よく走るっていうのもあって」と、世の中には“スバリスト”という言葉があるように、個性的で質の高いクルマを作るスバルのファンは数多い。サーキットでは今も現役の車種だ。「それに、ユーロをやりたくてL700ミラに手を入れる人が多いじゃないですか。それなら同じ丸っこいクルマのヴィヴィオで、ユーロ系にできるんじゃないかなと思って選んだのもあります」。もちろんパーツの少ないヴィヴィオは、ワンオフやニコイチで、たっぷりと愛情を注いでいる。ボディカラーはニッサン純正のクリスタルホワイトでオールペン。「昔先輩がその色のクルマに乗ってて、どんなに見ても、チリひとつないクルマだったんですよ。いつも新車みたいな。それで、この白ってスゴイなっていう印象が強くて。青味とかもなくて、本当に純白の、いい白なんです」と、白にオールペンするKカーオーナーが少ないこともあり、今ではあまり話題に上がらない塗料だが、ひと昔前のセダンでは“ニッサンの白と言えばオールペンする価値あり”のボディカラー。他にも独特の流用ワザや意外な発見、苦労の絶えない四独サスペンションなど盛りだくさんのヴィヴィオ。しかも、ドレスアップの今昔を採り入れたウルトラ旧に仕上がった。それはまさに、ユーロ系モダン旧車だ。
詳細記事&写真
ニコイチエアロ≫「フロントバンパーは上が純正を使って、下半分が安く中古で出ていたDADのステップワゴン用。サイズはぜんぜんちがうけど、まァどうにかなるっショと。幅に、絞り込みに、いろいろなところを詰めました。下のAラインは、ホンモノのシルバーカーボンを使っています。これはバンパーから直接型取りして、別にカーボンのリップを作って、その後でバンパーを切って抜いて裏からはめました」
純正グリル塗り分け≫全て黒かった純正グリルはフィンだけを白く塗り、ワンポイントをクッキリと見せている。さらにボンネットの先端のみブラックカーボンを貼り、グリル自体、心持ち大きく見えるようにした。
サンルーフ&カーボン調≫天井には3Mのカーボン調ダイノックフイルムを全面に張っている。さらにベバストの手動サンルーフを埋め込み。「電動は高くって」と諦めたが、ぱっと見、手動と電動が判らない部分。昨年から増えている追加サンルーフは、ルーフにやった感を添えられる。
細く見せる、塗り分けミラー≫「メッキなのに、ツートーン。この塗り分けは、いなくないですか?」というサイドミラー。つまり純正メッキミラーを上だけブラックアウトし、逆にメッキパーツをつけたように見せるワザ。上下を二分割するシンプルな塗り分けは、ドレスアップ的でもあり純正感もあるアイデア。その上、ミラーが細く見えるという効果あり。エンボスされた“可倒式”の文字の横にある丸にフのマークは、昔の富士重工業のロゴマーク。
車高調加工と足まわり≫「車高調はJICですけど、原形はないッスね。切ってショートにして、溶接し直して、バネもちがうし、色もちがう」と、ほぼオリジナルに作り変え。「ヴィヴィオは旧規格なんで、タイヤハウスのインナーが狭いんです。インナーが当たらないように、12キロと8キロの固いバネを前後に入れてます。よくみなさん、スズキが落ちないって言うじゃないですか。ヴィヴィオにくらべたら、ぜんぜん低いですよ。カノジョのMHを落とした時も、加工はMHの方が楽な上にヴィヴィオよりよく落ちますからね」。ホイールは純粋にユーロ感の強いスピリッツのEU-ss12。「旧規格でクルマがちっちゃいから、ホイールがデカく見えるんです」と、一般的な現行Kカーよりもボンネットや屋根の低いヴィヴィオが履くと、17インチ以上に見えてくる。リムまで伸びるスポークも、大きく見せる効果アリ。
4輪独立のセッティング≫フロントと同じストラット式サスペンションをリアに純正採用しているヴィヴィオ。つまり4輪独立方式で、フロントと同じ形状のサスペンションが組まれている。一般的なKカーが採用するリンクリジット式ではないので、当然リアアクスルというパーツも存在しない。そんなリアはJICのヴィヴィオ用車高調でローダウン。「ボクはシルビアも乗っていて、4独のリアはストロークするとホイールの上がフェンダー内に入って行くんですけど、このヴィヴィオは下げすぎて、沈めば沈むほど戻るような感じで上が外に出てくるんです。低い位置でアームがバンザイしてるので、ホイールが逆に動いてしまうんですね」と、実は厄介な構造。「なので、ある程度すき間を空けとかないと走れなくて。ホントは自分、フェンターとタイヤのすき間に名刺を挟んで落ちないような仕様が好きなんです」と、往年の車高短オーナーを思わせる発言。「シルビアがそうなんです。挟んだ名刺が落ちないのに、いくら走っても当たらないっていう。だから次の課題はそこかな、と。挟んで落ちない仕様にしたいッスね」
お宝ワザのブレーキ≫キャリパーはエンボスされたプロジェクトμのロゴに、アルミ表面を削り出したロゴがよく目立つ。レースにも参戦する有名ブレーキメーカー、プロジェクトμのKカー用キャリパーは、サイズをギリギリに作っているため、実はこれほど立体造形されていない。「ホントはこれ、カバーなんですよ。でもプロμのカバーって売ってないッスよね。昔、アクセルペダルのカバーがプロμで売っていたんです。それのオートマ用のブレーキペダルカバーなんです。これをつけた当時はキャリパーカバーっていうのは売られていなくて、これはカッコよくなるぞって思って、ペダルカバーを加工しました」。ドレスアップでは装着オーナーが少ないブランドを使い、しかもエンボスになっているロゴがホンモノ以上によくできているので、知ってる人ほどすっかりダマされるという仕掛け。「ブラケットで純正キャリパーを外にオフセットさせて、このカバーをつけています。1ピースローターはカローラ純正をドリルドスリットにして、ベルハウジングを加工してつけました」
引き締まったリアビュー≫左側のホイールはブラックアウトした真性ユーロ仕様。小さなボディに大きく見えるホイールは、迫力満点。黒を使って効果的に引き締めたリアビューに仕上がった。
サンコイチバンパー≫「上の取りつけ位置がヴィヴィオ純正。下半分は、スバルプレオ純正。で、ナンバーポケットがアルトです」というサンコイチ。ナンバー上のモールとバンパーのボトムには、ダイノックカーボンを張って引き締めた。
アルト純正ナンバー灯の光り方≫唯一使っているスズキ車、アルトの純正ナンバーポケットにも意外なワケがひそんでいる。「アルトのHA11の前期なんですけど、夜、走っているクルマを見てて、ナンバー灯の光り方がカッコいいんです! 地面に映る光の広がり方がカッコよくて。ナンバーポケットの下の角の所が映って、さらに広がって光りが飛んでいくんですね。そしたらたまたま、友だちのお母さんがアルトを廃車にするっていうんで、じゃぁ、ナンバーポケットくれって。切り取って来ました」と、ナンバー灯の光り方まで話しを聞くのは初めて。点灯時を撮影できなかったのが残念だが、そこまでドレスアップに採り入れるという注意力と発想がスゴイ!
センター出しマフラー≫「センター出しマフラーは先週作ったばかりです。以前はフルステンのパイプだったんですけど、太すぎてトルクがなくなったので、フロントは純正に戻しました。NAなんで、走らないんですよ。ついでに後ろからセンター出しに作り変えました」
スポーティインテリア≫インテリアはブラックベースに、上部をホワイトで塗装。ドアトリムはブルーのレザーを張った、スポーティなコーディネイト。
やっぱり高額! 限定シート≫純正シートはヴィヴィオビストロの40周年アニバーサリーモデル(平成10年式/1998年発売の限定車)。サイドサポートの深いバケットタイプで、タテパターンのパンチングレザーをセンターに使い、赤くパイピングされた高級感のあるデザイン。「ヤフオクで見ると、今でも5万いくらに値が上がるんですよ。クルマより高いですから」と、やっぱりヴィヴィオオーナーはクルマの本体価格より高価な純正シートを載せている。特に、オフ会系のヴィヴィオオーナーたちが、高級純正シートを載せたがるのだ。ちなみに40周年とは、おそらくスバル360の発売(58-70)を記念したモデル。
やっぱりディープ≫深ァ~く、深ァ~く、本人も気づかないままハマり込んでいる旧規格オーナーの長谷川さん。実はD-upcar.netの熱烈な読者というのもうれしいところ。旧車オーナーの御多分にもれず、徹底ワンオフ、意外な流用パーツ、こだわり狂った足まわり、ベテランだからこそ知ってる知識、そして熱いハートと、五拍子揃う。中でも本人イチ押しのツートーン塗り分け純正ミラーと記念撮影で、この笑顔! 他の人が見たら、ナンでココ?と思うところにも気持ちを注ぐ長谷川さん。クルマを心底愛してることがうかがえる。
大屋 勲

平成6年式 VIVIO KK4
●エアロ/F:ヴィヴィオビストロ純正顔面移植、S&R:ヴィヴィオRX-R純正
●ホイール/ワーク エクイップ01 F&R:15×6.5
●足まわり/純正加工
フェイクワザ満載、しかもオープン!
大屋 勲 山形県/庄内六六零 in 山形ヒッツ 2011.6.19
「去年の山形ヒッツにエントリーして、その時イベント前に仕様変更をしようかなァと思ったんです。ボディ加工は自分はできないので、じゃ何か目立つことはないかなァッと。で、イベントの前日に、屋根、切っちゃったんですよね。で、切ったら当日雨降っちゃって」。雨の中、テントを屋根に、避難していた姿を目撃した人は多いハズ。「あんときはサイアクでしたよ。ビチョビチョになって帰ってきましたケド」という大屋さん。この日は好天に恵まれた。「このクルマはスーパーチャージャーを積んだヴィヴィオのいいグレードなんですけど、それにそっくりヴィヴィオビストロの顔を移植しています」。つまりヨーロッパの大衆車を意識したビストロ(当時女性オーナー、特に主婦やおばちゃんにウケたヴィヴィオの主力バージョン)に見せかけて、実は過給機搭載のカッ飛びマシン、というイタズラ心。今でもサーキットを走るヴィヴィオは多いのだ。「ビストロ顔面はバンパーやライトまわりがみんな一緒なので、すぐポンづけできるんです」。ちなみに、平成6年式ヴィヴィオは西暦94年式。17年オチとなる。それでは、大屋ワールド満載のビストロ風ヴィヴィオを見てみよう!
詳細記事&写真
1年365日オープン仕様≫「屋根切ったら、1年のウチ半分は乗れなかったデスね。天気のせえで」。つまり、オープンはあるが、クローズがない、手作りサンルーフ。しかも雪国、山形ケンミン。「サイアク、カッパ着て走るとか」と勇ましい大屋さん。南雲中将はじめ、有名な軍人を多く輩出した山形気質。
天井切っても剛性十分≫「ピラーが全部つながっていて、天井だけ切ってあるので、剛性には特に関係ないんです。きしんだりとかはないデスよ」。というヴィヴィオは、当時(ひょっとしたら今も)Kカー最高のボディ剛性を誇るクルマ。例えば荷物満載の状態で片輪を縁石に乗せて駐車すると、当時の軽自動車はボディがゆがんでリアゲートが開かなくなったが、スバル車だけは大丈夫だった。と、富山の薬売りの人たちの間では有名だった。……という伝説が残っている。事実、当時のKカーは衝突時の保安基準30キロだったが、ヴィヴィオは普通車並みの40キロを確保していた。おかげで、頭上空間、ひ~ろびろ!! 天気さえ良ければ、山形ドライブはゼッタイに気持ちよさそう。
天井に座れちゃうんです≫D-upcar.net のオーナーカー紹介は、フツー、一番最後にオーナーの人物写真が来る(カバーカーは最初)のが通例だが、大屋さんは特別に中。というのは、天井を切っても、背の高い大屋さんを支えるだけの剛性があることを、この写真で証明。オーナー写真を撮る際「天井から顔を出して下さい」とお願いしたら、天井に座るというのでビックリした。
ワイルド! 刷毛あとイエロー≫「実はこのクルマ、今回が最後なので、何か目立つ色にしようかなァと思って、余ってた黄色にしてきたんです。なので、塗装もローラー使って、カンタンにやりました」と、刷毛あとの残るワイルドな出来映え。
きっと思うハズ≫フロントとは異なり精悍なリアビューは、ヴィヴィオのスポーツグレードRX-Rの純正サイドステップとリアバンパーを装着する。スイングオープンするチルトウインドウも、すごく懐かしい! その開いた窓からチラリと見える青空は、本来はあってはならない景色……。その上リアウインドウに貼られたステッカーは、なぜかダイハツミラ。しかもちょっと古いL700以前のモノ。「ちょうどもらったヤツがあったので」。判らない人が見れば、ぜったいミラだと信じるハズ。さらにリアゲートには、高齢運転者標識。2011年2月1日に、不評のモミジマークから一新したばかりの通称“四つ葉マーク”最新版を貼る。これも後続の運転者はぜったい年寄りだと思うハズ。軽ヨンだと思ってあおったりしたら、きっと後悔する。……ハズ。
ゼッタイ足まわり≫足まわりは純正ショックの加工。「他の人が言うには、ノーサスだろ、って。でもノーサスよりは乗り心地いいですよ。リアのバネは3巻きくらいしか入ってないんですけど、ショックだけ伸ばした状態にしてるので、ストロークは純正分あるんですよね。底突きはしなくなりました。ヴィヴィオはノーサスにしてもキャンバーはつかないんですけど、わざわざキャンバーつくようにブラケットを長穴加工して無理クリ倒してます」とは、他のKカーと異なりヴィヴィオのリアはストラット式サスペンションを純正採用。つまり、フロントサスと同じものがリアにも入る4独方式なのだ。一方ホイールは、ワークの名作、エクイップ01。やっぱり旧規格にはコレ!「15×6.5なんで、フツーに履いたらフツーにハミ出るんですけど、キャンバーつけてるから入ってるだけで。キャンバーのおかげで誤魔化してます」
ポンコツ≫リアウインドウのド真ん中にイカシたステッカーを発見。「バイク屋にあったんですよ。見つけた瞬間、コレはゼッタイ貼らねばと思いました」。確かに、このステッカーだけは真実を言い当てている。
カギ穴のなごり≫「コレ、カギ穴を埋めるつもりで、反射テープを貼ってたんですよ。でも、パテ埋めするのも面倒くさくなっちゃって、そのまま塗って誤魔化しましたね」と本人は言うものの、ぜんぜん誤魔化せてない。
クルマが4台買える高額シート≫「シートはレアなヤツで、コレが一番高かった部品ですね。シートだけで、4万だかしたんですよ。クルマは5000円だったから」という、ヴィヴィオ限定車用のフルレザー。
カッコいいアイデア、エクイップ≫今ディープコーンのステアリングには、エクイップのホイールキャップをハメ込み。「大きさがピッタリだったんですよ。なもんで、ただ被せてるだけなんですけど」と、コレは“好きなオーナー”によっては、ゼヒとも真似たいアイデア。カッコいい!「シフトノブも水中花をつけてたんですけど、今はもったいなくて純正に戻しました」。おいおい。
見てくれ、コレ!≫今15年以上に及ぶドレスアップ取材で見た初の試み、拡声器。「いろいろ面白いアニソンやらを、大音量で流そうかなと」。はとバスが飾ってあるところも、ギャップあり。
いらっしゃいませ!≫と、ご丁寧にもあいさつしてくれるノボリ旗。この旗に黄色いビストロという組み合わせは、イベント会場と言うよりも、霞が関や大手町に出没するお弁当の路上販売、といったノリ。実は大屋勲さん、「オオヤイサオ」と書いて、「オオヤカオル」と読む。正直、カオルという読み方があるのは初めて知った。と、ここで気づいたのは、大屋さん自身の名前を筆頭に、同じようなフェイクワザが無数にあるということ。女の子カーのビストロと思いきや、スーパーチャージャーのカッ飛びマシンだったり、ミラかと思えばヴィヴィオだし、高齢運転者かと思えばバリバリだし。拡声器からアニソンか? そんなフェイクでどっさり楽しませてくれるオオヤカオルさん、なのだ。「いらしゃいませ! 楽しんで行ってください」
橋本 祥生

平成9年式 MIRA L500V
●エアロ/F:純正加工、S:RA8オデッセイ純正加工、R:ミラアヴァンツァートR純正加工
●ホイール/オートウェイAW-195 F&R:13×7.0±0
●足まわり/RYO車高調
●ショップ/ハイダウェイ TEL.0770-37-1900
ムチャで強引、勢いです!
橋本 祥生 福井県/北陸トップスターズ in DSU愛知
「旧車は市販のパーツがあまり売られていないので、同系統のターボ車とかからパーツを持ってきたり、車高調つけても何かボディの方を加工して強引に車高を落としたりとか、面倒はいろいろありますよ」と言うのが、実は楽しい強引系。「旧車好きの人って結構年がいっとるでしょう。昔からしとることを、わざわざやったりするから。みんな、ムチャしますよね。上品にまとめようって気がゼンゼンないですもんね。もう勢いです」。そんなL500ミラバンは、ワイドボディと流用パーツで武装中。内装はしっとりと仕上がる大人の旧車スタイル。オリジナルのオレンジゴールドパールも絶対目を惹く鮮やかさ。次はアヴァンツァートのJB-JLターボエンジンに積み換える計画とか。やっぱり旧車のハートは熱い。チーム名に県名や地域名をいれちゃうのも、そんな旧車魂の証し。
詳細記事&写真
エンジン換装予定!≫「今度ターボエンジンを載せ換える予定なので、今はとりあえずターボ車のパーツを移植しているところです」と、インタークーラー用の巨大なダクトが設定されたターボ用純正ボンネット。「ルーフスポイラーやリアバンパーとかも変えてます。あとメーターやサイドミラーも。で、今度一気にエンジン・ミッションを4気筒のアヴァンツァートRってヤツに載せ換えようかなと。なので、ボンネットはまだナンチャッテです!」。とは言え、このJB-JLエンジンはラリー参戦に向けて開発されたダイハツの名機なのだ。
純正延長5センチ≫「純正バンパーを、デコのところでもって禁断の延長をしいます。でも違和感ないんですよね」とは、デコ(ヘッドとも言われる)がかなり薄くデザインされたL500の純正バンパー。あとはグリルにあったミラってロゴが入ってるフィンをくり抜きました」と、開口オンリーにしてスポーティな雰囲気プラス。ナンバーはサスガ、Kカーの排気量になっている。
ピッチ変換で7.0の超ディープ履き≫「フェンダーはフロントが7センチぐらい、リアが9センチぐらい出てますネ」という鉄板溶接。「ホイールは前後とも7.0で、前後ともピッチ変換のワイトレが15ミリ入ってます。ピッチが旧規格なんで110なんです。それを100にしています」。13×7.0±0というディープな旧車風デザインのホイールは、オートウェイのAW-195。「安いんですよ」と決め手は懐かしいデザインと価格。
L500のリアセッティング≫リアホイールには15ミリのピッチ変換スペーサーに加え、5ミリスペーサーを追加。「タイヤはほんのちょっと引っ張り気味です。7.0だとサイズがないんでね。もうワンサイズ偏平をデカくして引っ張ってもいいんですけど、そうなると外径がデカくなってまうんで、どっちにするかを考えてこれにしました」という165/55のナンカン。厚めのタイヤが似合う旧車メイクなのだ。「このクルマはリアが左右別体なんで、アクスルじゃなくてロアアームだけなんです。で、バネ受けになって、横にハブがついとってショックで支えているんです。だから左右別で動くんですよ」という純正4独なのだ。
リアビューとローダウン≫精悍&ヤンチャなリアビューは、過激でいながら仕上がりはキレイそのもの。車高調は広島のドリフトショップ、RYOのオリジナル。「バネは10キロで、かなり固いの入れてます。減衰は14段のうちの7段ぐらい。走ってて跳ねますけどね。でも、段差でも普通にトントンと行くんで、いいかなって思ってます」
アヴァンツァート純正≫「リアバンパーはL500のアヴァンツァート純正で、フェンダーに合わせて横を出しました。後ろにある純正のフィンみたいになっているところもくり抜いて、ダクトにしてメッシュを張ってます」
センター3本出し≫「センター出しをずっとやりたかったんです。この500系のミラは純正マフラーの取りまわしが真ん中になっていて、そこから右に振られて出口になっているんですけど、それを真ん中の位置で切って、ステンレスでタイコ作って、パイプを3本出しました」
黒レザーにクラック塗装≫黒を基調にしたインテリアは、旧車とは思えないしっとりとした仕上がり。古さとモダンさを兼ね備えた雰囲気だ。ダッシュボードやドアの内張りは黒いレザーで張り替え。ポイントにオレンジを配し、パネル類は黒を使ったクラック塗装で仕上げている。これがまた、大人の旧車的に似合いまくり。
往年のピッツーラ≫ステアリングやセンターパネルのクラック塗装は圧巻の出来映え。ステアリングは懐かしいピッツーラ製。今から15年ほど前、VIP創世期のエアロ&パーツメーカー。名前を聞いたのも14年ブリくらい。セドリック430GSL(79-83)の“ピッツーラ仕様”といえば、懐かしい響き。
徹底クラック≫メーターフードやセンターパネルをはじめ、ステアリングコラムやエアコン吹き出し口のルーバー、灰皿など、しっかりと施工されたクラック塗装も雰囲気アリ。
シートまわりの完成度≫純正シートにはオーダーしたカバーを装着。タテのラインがレトロスポーツの趣きだ。オレンジのパートはパイピングとヘッドレストのショップロゴのみという、抑えたトーンが雰囲気を出す。センターのコンソールボックスルやシートの台座カバーもオレンジに塗り、リクライニングレバーはクラック塗装で、純正部分を徹底消し。これにより、古さを感じさせない仕上がりになった。
ハイダウェイ≫製作は“ちょい悪オヤジのお店”を自負する、福井県敦賀市のハイダウェイ。そんなトコだからこそ旧車メイクはお手のモノ。
一気に燃え立つ旧車魂≫「去年9月のKブレイクのイベントに行ってきました。クルマはゼンゼンこの仕様じゃなかったんですけど、そこで急に目覚めたと言うか。もうこんなモンじゃ勝てんなと思って。で、一気に!」と、旧車心に火がついた。というよりも、引火して燃え上がって、いまや消火不可なホド。旧車のハートは熱くてキケン。
小林 清厚
平成5年式 ALTO WORKS CR22S
●エアロ/F:Jモード加工、S&R:ボメックス
●ホイール/タナベ スピードスターMK-1 F&R:13×6.0
●足まわり/ボルドワールド エアサス
●ショップ/ハブス TEL.0771-25-1992
オーナーの“年季”がなせるワザ!
小林 清厚 滋賀県/アルトワークス軍団 in ドレスアップパーティ 2010.11.7
はるばる滋賀県から、福岡県×熊本県の県境まで遠征してきた小林さんのアルトワークス。「昨日の午後3時に、ここまで走ってきました」と、気合い十分。アドバンカラーや、時代を感じさせるエアロ類、70年代のMK-1ホイールや、リップに埋め込まれたEP71スターレット(80年代製)のグリルレンズなど、時代を感じさせる“自称チャンプロード仕様”! しかも、“ネオンリング”が輝く4発のサブウーハーは、怠りなしの20世紀スタイルだ。スゴイ! 汎用のガルウイングをアルトワーク用に加工装着。「板金やさんは、テキトーにスポコン用を買ってきて、合うようにつけたって言ってました」という作。まだまだ羽ばたく旧車オーナー。今日もいいモン、見たゼって感じ!
詳細記事&写真
アドバンカラー≫アドバンカラーの懐かしいツートーンデザイン。ただし本来のアドバンカラーはフロントが黒、リアが赤。「でも黒赤だと、ちょっとフツーなので。昔の雑誌に、こんな色のミラが載っていてヒントにしました」という、黄色×空色のアドバン仕様なのだ。
スターレットグリル≫見覚えがあるが思い出せないリップに埋め込まれた横長のレンズは、1986年に登場したEP71ターボのスターレットフォグ。純正スターレットのグリルにハマっていたものだ。「今回ネットで探してリップに埋め込みました」という斬新な作り込み。「これは昔乗っていたL700ミラにもつけていて、グリルにちょうどハマるサイズだったんです。点灯もしますよ」と、ターボ車のアルトワークスにはまさにピッタリのパーツ。埋め込み方も違和感ナシ!
短縮≫2003年ごろまで旧車&ワークス仕様のCTワゴンRとかにちらほら見かけたフェンダースポイラーは水野ワークス製。懐かしいエアロアイテムながら「もう暴走族の世界です!」と断言する小林さん。往年の街道レーサー仕様を思い出す。
エアロミラーはウインカーレス≫エアロミラーは、バケットシートやミラーを開発するビーフリーを装着。「ウインカーつきにしようか迷ったんですけど、アルトワークスにはこれかなと。それにエアロミラーは見えへんって言われるんですけど、これは見えますしね。車線変更とかもオッケーですよ」
塗装屋さん泣かせ≫アドバンのレーシングカーさながらに、天井まで塗り分け。「これは塗装屋さん泣かせのデザインです。塗るよりも、マスキングの方が大変だったって言われました」
旧車仕様≫リアバンパーとサイドステップは、GT用エアロで知られるボメックス。そのサイドステップは純正パネルの上から被せるタイプなので、アルトアークス特有のロゴ入りプレートもスムージング。加えて「これも今ではないものなので、かなり貴重なクリアテールです」という昔風スタイル。「見づらって、評判悪いですけどね……」
跳ね上げウイング≫「延長加工しているようで、延長していないウイングです」と、跳ねあがっちゃってるリアウイングもJモード製。もちろん小林さん、そんなスタイルがまんざらでもない。
往年の名ホイールMK-I≫70年代に登場した名ホイール、スピードスターのMK-Iを装着。今も生産され続けているロングセラーだが、Kカードレスアップでは装着オーナーをほとんど見かけない。サイズは13×5.0と、アルトワークスにはお似合いサイズ。「こういう古いパーツが好きなんですよ。……人間が古いので」。いやいや、まだ青春なご様子。
スピードスターのレーサーマーク≫ホイールキャップは、今もSSRでオプション設定されている古いデザイン。レーサーの横顔が、これまた時代を物語る。
懐かしのリアオーディオ≫リアシートを潰した広いスペースには、全面ボックスを制作。90年代はこういうオーディオが多かった。4発のサブウーハーには、これまた懐かしいネオン管のリングをまわす。「電気、喰いますけどねェ!」といいつつも、ビートに合わせて点滅する姿は、今ではドレスアップで目にすることのなくなった貴重な光景だ。
パチンコ台埋め込み≫リアオーディオの一角には、パチンコ台のモニターを埋め込み。「たまたま、液晶モニターの部分が箱に入って売っていたんです」という、パチンコサンダーバード。
こってりインテリア≫2通りの映像を流せるようにDVDのユニットを2台搭載。メーターフードに被せられたミニモニターのパネルは、走行時はもちろん外すイベント仕様。ミニモニターをはじめ、メーター類を充実させ、アルトワークスの室内をコクピット風にドレスアップした。
ワンオフのコンソールボックス≫フロアにコンソールボックスを制作し、上部には、使いやすさで定評のあるソニーのクロスオーバーXEC-505をマウント。音の設定も自在にこなす。その下には「もともとボクはバニング乗りなんですけど、その時のパーツを活用しました」と、ライトまわりのスイッチを埋め込み。一番下にはエアサスのパドルを取りつけた。
青春真っただ中、一生カーマニア≫「自称、チャンプロード仕様です」と、年季の入った旧車オーナー、小林さん。“アルトワークス軍団”のノボリ旗が誇らか。かなり手が入れられた愛車ながら、そのなかでもっとも手間がかかったのが「ナンバーです。1番は5回目でやっと引き当てました」。そんな苦労が楽しい、未だ青春真っただ中! 一生カーマニアなのだ。
とらっち
平成8年式 ALTO WORKS HA11S
●エアロ/テイクオフ加工
●ホイール/ワーク エクイップ03 F:15×6.5 R:15×8.5
●足まわり/F&R:リジットサス、ワンオフリアアクスル
●ショップ/カーショップとらっち TEL.076-291-8271
オレを真似たら後悔するゼ! バリバリのヤン車メイク
とらっち 石川県/Kei-Break in 寺崎杯 2010.8.29
旧規格のアルトワークスを鬼落ち、オーバーフェンダー&ディープリムで飾る旧車チックな1台。ボディカラーはロッソコルサ。つまり、フェラーリレッドにオールペン。「赤が好きなんですけど、色見本を見くらべてみるとフェラーリの赤が一番鮮やかでキレイに見えるし、陽の当るところだとまぶしいくらいの赤なんです。何色かくらべたんですけど、結局はこのフェラーリの赤が一番カッコいいんです」。そこへクリアブグラック塗装のヘッドライトでワルっぷりを上げた。前6.5、後8.5のホイールは、これまた懐かしいワークのイクィップ03。しかも足まわりは一種のノーサスであるリジットサスでセッティング。乗り心地は悪いとは言うものの、そこは旧車ドレスアップ。時代に逆行する、気合いとコンジョーで乗りこなす!
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スポーツ系エアロをヤン車風に加工≫低車高に合わせてエアロは全て30~40ミリ短縮。「テイクオフのリップは中央部が持ち上がっていているんですけど、それを平らにして、10ミリくらい前に出しています。エアロはスポーツカーテイストなんで、リップを平らにして出てているように見せるほうが、テーマのヤン車っぽさが強調されるんです」
前置きインタークーラー≫低車高に合わせてエアロは全て30~40ミリ短縮。「テイクオフのリップは中央部が持ち上がっていているんですけど、それを平らにして、10ミリくらい前に出しています。エアロはスポーツカーテイストなんで、リップを平らにして出てているように見せるほうが、テーマのヤン車っぽさが強調されるんです」
短縮≫テイクオフのドアパネつきサイドステップは、30ミリほど高さを短縮。「テイクオフの形が好きだったので、ラインは極力残しました」
ノーストロークの改造車系足まわり≫「足まわりはリジットサスです」と、聞き慣れない言葉。これはサスペンションの代わりに金属の棒を組んだ極低車高用の足まわりで、当然バネもなくストロークもしない一種のノーサス状態を作り出す(“リジットサス”でパソコン検索すると、市販品を見られるほか、構造もよく判る)。「ボクの場合は、純正ショックを短くして、溶接して固定しています。これ以上下げると擦っちゃうし、車高を上げるのも嫌だし、それで固定したんです。乗り心地はすっごく悪いですよ。道の継ぎ目とかは気合です」。さらに前後のフェンダーは極低車高に合わせて約40ミリほど切り上げてのオーバーフェンダー化。フロントはステアリングを全切り可能になっている。
往年の名ホイール、イクィップ03≫「オーバーフェンダーで深リム」を狙ったとらっち。ホイールは往年の名作、ワークのエクィップ03、15インチ。フロントは6.5、リア8.5という超ディープリムだ。「このホイールは今の流行じゃないんですけど、スリーピースでヤンチャっぽさも出したいから、リムが深いヤツがよくて、さらに段つきリムにしたかったんです。エクィップは、デザインも旧車っぽくてサイズも豊富にあるので。特に旧規格の軽四にしては、8.5ってなかなか深いと思うんですよ」
ディフューザー切り開け≫テイクオフのリアバンパーも、車高に合わせて上部のヘッド部分で約30ミリの短縮。テイクオフ本来のディフューザーは、2本のフィンを残してインナーを切り開けて、ワンオフのマフラーを出している。リアゲートは全てスムージングした。
跳ね上げハの字マフラー≫センスブランドのマフラー出口は「色が気に入ったので」購入し、この角度に合わせて中間のパイプをワンオフ製作した斜め跳ね上げ、ハの字出し。「基本的に普通車用の出口なので直径が大きいんですよ」という迫力十分の出来映えだ。
3Dウイング≫「アルトワークス用のGTウイングはよくあるんですけど、3Dのハネをつけたくて」と、シックスセンス アウトサイダーのMCワゴンR用ウイングを取り付け部分を加工して装着。「それに同じスズキ車用なら、近いかなと。でも実際は幅とかちがうので、加工してつけました」。さらにルーフのフチにある水切りもスムージング。「余計なものをなくしてツルンとさせれば、視線も下に行くし、視覚的に低く見えるかなと思ったんです」
深紅のインテリア≫インテリアもロッソコルサでフル塗装。アンダーマットは天井と同じ、ビニールレザーを張って赤を徹底した。ダッシュボードの左右にあるエアコン吹き出し口はスムージング。オーディオのデッキやエアコン吹き出し口のあったセンターパネルを潰して、FRPとパテでパナソニックの11インチモニターをマウントする。デッキは助手席前に移設。「だからエアコンは窓の曇りを取るのと、足元からしか風が出ないんで。純正よりは暑いですけど、効かないワケじゃないですよ」と、こちらも根性でガンバル。
レーシー&オーディオ計画中≫リアシートとリアラゲッジは全てのパーツが取り払われてボディ同色に塗られたガランドウの状態。「走りのイメージにしているんですけど、そのうちオーディオをしたいなと思っています」
Kei-Break三代目≫リアウインドウに貼られた“車高短バリバリK-CAR軍団、Kei-Break”のステッカー。「これはKブレイクの大林社長が作ったKカーのクラブで、その後ボクの地元の石川県の人がリーダーをしていて、その人から引き継いだんです」という三代目。旧規格のKカーでガンバル由緒正しいチームなのだ。
とらっち≫オーナーのとらっち(写真左)は、クルマからは想像できないスラッとスマートなアニキ。地元石川で自動車販売店“カーショップとらっち”を経営しつつ、趣味の愛車を製作する。「赤とかピンクとか好きなんですよ」と、Tシャツもボディ同色? 「スムージーに見せるため、ワイパーも取っ払ってます。雨の日はガラコと気合です!」。……サスガ。
大野 孝紀
平成7年式 CERVO MODE CN22S
●エアロ/RAコーポレーション
●ホイール/タナベ ヴィエナディッシュ F&R:15×6.5+38
●足まわり/シュピーゲル車高調加工、カスタムジャンキー純正アクスル加工
●ショップ/カスタムジャンキー
シンプル×低車高×ワイドの旧車系大人メイク
大野 孝紀 岐阜県 in 寺崎杯 2010.8.29
「安かったので買いました」という平成7年式のセルボ。「以前はエスティマとクラウンをドレスアップしてたんですけど、引退したんです。このセルボは車高を落とす程度で、通勤で使おうと思って買いました。でも、また火がついちゃったんですよ」という大野さん。一度は引退を決意したオーナーらしく、エアロをつけてもシンプルな出来映え。もちろん旧車らしく、低車高とディープリムはゆずれない。過去のドレスアップを活かした、シブい大人メイクなセルボに仕上げられている。
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希少なセルボ用エアロ≫フロントバンパーは地元岐阜県のエアロメーカー、RAコーポレイション。「セルボにつけられるこういうエアロは、そこしかないんですよ。それにセルボモードの純正フォグランプをそのまま使えるんです。開口部にはアルトワークス純正の開口部ガーニッシュ(メッシュ部分)を入れていて、さり気なくてオシャレかなと思って」。さらに純正グリルのワクはツヤ消しブラックで塗装した。
15インチを大きく見せる≫ホイールはヴィエナディッシュ、15×6.5を装着。「セルボで16インチを入れると、デカすぎてパツパツになってしまうので、15インチにしたんです。それにディッシュなら、パツパツっていうほどじゃないけど、ホイール自体が大きく見えるので」という狙い。
車高調改のローダウン≫シュピーゲルの車高調を加工して、さらに低くセッティング。純正加工のリアアクスルは、50ミリ上げのキャンバー6度となっている。
リアビュー≫RAスポーツのリアバンパーにKカースポーツのワゴンR用マフラーを装着。6.5のホイールを履くため、リアフェンダーのみ30ミリほど叩き出している。そのため、リアバンパーもフェンダーに合わせて若干ワイド化した。リアウイングはセルボモード純正だ。
指と尻尾で≫イベントに一緒にやってきた仲間たちと写真に収まる大野さん。もちろん指と尻尾でさされている人が当人。現在、ボディをスーパーブラックにオールペン中とのこと。「足代わりに買ったクルマですけど、結構気に入ってますよ。いじっているにつれて愛着が出てくるんです」と、旧車メイクで現役復帰中。
白夜の大将
平成10年式 WAGON R CV51S
●エアロ/F:社外ハーフ、S:ヴァルド、R:ワゴンRコラム純正×社外ハーフニコイチ
●ホイール/ワーク ユーロライン F:15×7.0+6 R:15×8.0-6
●足まわり/F:競技用ワンオフ車高調、R:スズキスポーツ車高調、富山ちび鬼アクスル加工15度
もらい物と中古パーツで極める、旧規格のディープな世界!
白夜の大将 岐阜県/白夜 in 寺崎杯 2010.8.29
ムック色の愛車は平成10年式の四駆ターボ、CV51ワゴンR。選んだ理由は「お金がナイ!」。それでもドレスアップを楽しむには「自作しかナイ!」という白夜の大将さん。しかも「車種にもこだわりがナイ!」というナイナイづくし。「その時に、安いCTがあればCTでいい。CTを買ったら、それいじる。……みたいな。とにかく全部中古パーツでやってる。……ヘッドライト、はじめて新品つけたかなってくらい」と、よく見ると、ヘッドライトがキレイなせいで、思ったほど古いクルマに見えないところがミソ。「今、前につけてたヘッドライトにLEDやってるとこで、今日は間に合わなかったもんで、イベント来れなくなるから、とりあえず新品買え、……みたいな」。そんな愛車のボディカラーは、ムックをイメージした赤。「これは塗料屋さんが、ナンとかレッドって言っていた原色の赤。でも勝手に名前をつけて、ムックレッドって呼んでる」。こんな具合に、もらい物と中古パーツで極める、旧規格のディープな世界!
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ムック≫ボンネットには、このワゴンRのイメージキャラクター、ムックのカッティングを貼っている。
ラパン風に白塗装≫前後バンパーはワゴンR用の純正エアロ。「CTのエアロになると、安い中古のエアロとかが出てこなくて。とりあえずは、これからいろいろ加工しようと思ってて」と、言いつつも「友だちはみんな、これでいいんじゃないって言うモンで。う、う~ん、……みたいな」と、迷いも生じているところ。ボトムを白くした塗り分けは初期型のラパンのカワイらしさをイメージ。リップのバンドエイドは「あそこ、割れとるの……」。マツキヨじゃなく、オートバックスで購入。
コラムのドアミラー≫CTワゴンRのキャル系グレード“コラム”の純正ドアミラーを流用。「カワイイもんで」と、ムックのキャラクターイメージにぴったりのデザイン。
超ディープで15度≫8.0-6という極太ディープのホイールは、ワークのユーロライン。そこへ「OZのエンブレム、つけただけ。たまたまあったンで!」。いきなり声をひそめて「ホントは自分、ディッシュ、嫌いなんやけど……。でも中古探しとって、リムが欲しかったモンで、出てきたモンがこのディッシュ。で、とりあえず色塗っとけば、いいか、……みたいな。色はガンメタ。オリジナルのガンメタ。……ていうか、テキトーなガンメタ。色が余っとったデ」。さらに、いやがおうにも目を引くのが、超ディープの白いリム。「これは最初黒カーボンを貼ってンやけど、ガンメタのホイールで黒すぎて見えるもんで、上から白を塗った」というシロモノ。しかも「キャンバーをつけるために、結局四駆を殺して二駆(FF)にしちゃった」。そのキャンバーは15度というヤンチャな旧車スタイル。「アクスルを作ったのは富山のチビ鬼っていう人で、広島にも同じ名前の人がおるけど、富山の人がはじめで、その人が最初に作ったアクスルをもらった」
ブリスターでドアも溶接?≫リアはスズキスポーツの車高調。「本当は全長調整式のショックが欲しいんだけど、CT用なんてないもんで、今我慢してる」。極太ホイールを入れるため、リアはブリスター化。「切り上げて、作り直して、リアドアも埋めて、ブリスター。で、二名乗車と幅で公認とって、白ナンバー取って……。でもシートは4脚ついてる」という左のリアドアを塞いだ仕様(CT系ワゴンRの初期モデルは右のリアドアがない1+2ドアモデル)。トボケたことに、ドアノブは残してる。
純正CTワゴンRコラム用バンパーニコイチ≫リアバンパーは丸目ヘッドライト&丸テールのワゴンRコラムの純正リアバンパーに、社外のハーフを埋めての流用。「コラム、カワイイじゃないですかァ!」と、キャンバー15にカワイさを加える白夜の大将さん。加えてリアゲートにはオデッセイのメッキモールをとりつけた。理由は「それが、そこにあったから」とのこと。「アールもピッタり」。バランスもいい。そんなパーツ選びの極意は、「とりあえず、知り合いのお店とか、板金屋さんに行って、物色するんスね。で、これ、いる?って訊いて。すると、いらんて言う人もおる。すぐに使わなくても、とりあえずもらう。……みたいな」。バンパー下にぶら下がる“ツリカワ”が、ムチャクチャ懐かしい!
旧車イメージの細めマフラー≫素っ気なくも、いい味出している単管パイプのマフラー。「ちょっと細くて旧車イメージ。……みたいな。でもフロントパイプはスズキスポーツのステンレス」
赤、白、緑≫「内装は、ダメ」という白夜の大将さん(写真後列右)。「なァンにもやってない」。一緒に写真に収まるのは、09年11月のDSUで取材したラパン乗りの長井真清さん(後列左)ほか、セルボオーナーの大野孝紀さんと、キタナ★車乱のグッチー夫妻。実は白夜の大将さん、もう一台、ガチャピン色のエスティマを所有。ワゴンドレスアップでは有名なオーナーなのだ。つまり、赤いムックと緑のガチャピンを所有する、白夜の大将……、っていうことで3色使いのカラフルな性格の人?
白石 幸生
平成9年式 AZ WAGON CY51S
●エアロ/カスタムオオフチ
●ホイール/ウェッズ クレンツェLXZ F&R:15×6.5+9
●足まわり/ボルドワールド アルティマ、アクスル加工
●ショップ/KJ-COMPANY(外装)
バニングKを自分流に!
白石 幸生 埼玉県/EDEN in 寺崎杯 2010.8.29
「VIPバニング」が愛車のコンセプト。「だって前はVIPだけど、後ろから見たらバニングじゃん!」というクルマ。「こだわりはスムージングしない」という白石さん。「ボクはバニング系で、バニングの人ってスムージングをしているけど、それじゃみんなと同じになるから」と、2000前後に大人気だったバニングKに、自分流をプラスする。さらに昨年までのブラックボディは「シンプルすぎて見えるから」と、オールペンを決行。決して、シンプルなスタイルではないのだが「黒だとブリスターが見えないし、ダクトを入れても誰も気づいてくれないし。それに黒いと低くても低見えないから。で、映える色は何だろうって探して、赤紫っぽくしたんです。低さも判りやすくなりましたよ」と、希少なバニングKを楽しんでいるのだ。
詳細写真&記事
寸法は手で計る≫前後のバンパーは、「ほかにいないから!」と装着を決めた、バニング系エアロのカスタムオオフチ。「でも、エアロは全部フル加工しています。フロントバンパーはタテ横の幅を全部詰めちゃって、ダクトをつけました。高さはコブシ一個分だから、15センチくらいかな」と、手で寸法を代用するのもベテランオーナーならでは。
3連ダクトのコーデ術≫バンパーサイドには前向きに3連ダクトを追加。「ここに入れると、後ろのブリスターのラインと合うから」というコーデ術。
おろし金グリル≫周囲から“おろし金グリル”と呼ばれるのはY33シーマ用エアロの社外グリル。「CT系ってグリルがないから、強引だけどわざと入れた」と、社外パネルを使ってグリルのベースをリメイクしての装着。
「車高は指2本分」の美学≫「ブリスターフェンダーにしたのは、前後のバンパーがデカかったから、それに合わせるため」。足まわりはボルドワールドのアルティマ。「車高調が好きなんですけど、アルティマは車高調にエアバッグがついていて、好きな車高で止められるから」という選択。「もっと落ちるけど、それじゃ着地してみんなと同じになっちゃうから、地面からわざと指二本分くらいのところにセットしています。エアサス、イコール着地じゃ、つまんないでしょ」と、車高にも美学を持っている。特に、車高を指の数で計るのもベテランの味。若いオーナーたちは、こういう人を尊敬しろよ!
ケーニッヒ風!!≫ボ90年代、一斉を風靡したドイツのチューナー、ケーニッヒを思わせるのは、カスタムオオフチのリアフェンダーキット。ケーニッヒはベンツやポルシェがラインアップされた、ユーロスポーツの元祖なのだ。98年ごろのVIPセダンやバニングでよく見かけたブリスターデザインでもある。
こだわるホイール≫ホイールはウェッズのLXZ、16×6.5。「スポーティっぽいけど、離れて見るとリムも深くてVIPっぽいから。ウェッズもオフセット設定ができて、リムを深くとれるんです。リムは7、8センチくらいッスかね。軽用ではマックスって言われました」。もちろん、35ミリのスペーサーでブリスターのツラに持ってきた。「もっと太いのも履けるんですけど、重くて燃費も悪いし、走っててすぐ跳ねちゃうから」という6.5。
バニング系の命、リアゲートパネル≫リアゲートは窓を鉄板溶接して巨大なパネルに仕立てている。ただし「リアゲートのオープナーを残しているんです。これをスムージングすると、バニングになっちゃうので」と、あくまでもVIPバニングを貫く姿勢。「リアウイングはメーカー不明なんで、よく判りません。でも、ちょっと立ってて、バニングっぽいイメージのを選びました」と、VIP×バニングのミックス状態。
8連丸目テール≫リアバンパーにズラリと並ぶ4連×左右のテールランプはニッサンのスポーツカー180SX純正。バニング系オーナーは、パオテールをはじめ、こうした丸テールを流用するオーナーが多い。マフラーはケースペックの爆音皇帝。「左右出しをつけたくて、爆音皇帝にしたんです。でも、CT用が廃盤だって言われたので、たまたまクルマ屋さんに転がってたライフ用を加工してつけました」
自作オーディオは高音系≫「バニングっていったら、テレビでしょ」。リアゲートパネルで外からは見えないが、17インチのモニターを組んだ自作のオーディオが表われる。左に立てかけられているパワーアンプは、キッカーのZR120。「音が結構出ます。本当はスピーカーもキッカーにした方がいいんですけど、ロックフォードのほうがデザインがよくて、いいとこどり。ミッドのソニーは知り合いが新品を安く売ってくれたんで、もうメーカーはバラバラ」。左右にあるのは、中音と高音を分けるソニーのクロスオーバー。
ココにつけれるのは、オレだから≫「リアゲートは鉄板溶接しちゃって、あいたスペースにカバーを作って、そこからモニターがぶら下がってるの。だって、普通はみんなこの位置にモニターがつかないでしょ。窓になってる場所だから」
楽園≫今は希少なバニングKを追求しつづけるウルトラ旧オーナー、白石さん。チームTシャツも同色ですか? 胸の“楽園”の文字は、チーム名“エデン”の訳。バニングKの楽園再び! と言うことで、旧規格の楽園に掲載。

