裏ッス 2011 of d-upcar.net 裏

見えないところ、気づかないところに
ディープインパクトがいっぱい

裏ッス17号  in DSU 2011.11.6

栗須 歩  WAGON R MH22S 和歌山県/ANMI FAMILY

●エアロ/モードパルファム ファントム雅夢加工
●ホイール/タナベSSRヴィエナ クレイド F&R:16×6.50
●足まわり/日正タイヤ車高調加工、パルテックマルチアクスルキット、フロントロアアーム加工
●ショップ/ブルーライド TEL.0739-34-5920


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手ごわい女子オーナー登場。めっちゃウルトラディープ。クルマいじりが楽しくってしょうがない。それがワゴンRオーナーの歩さん。パルファム雅夢のフロントバンパーは、モードパルファムのY33、Y34セドリック用エアロをイメージして加工。さらにスラムドボンネットは3段階でスムーズに開閉するように製作。もちろんエンジンルームを覗かれてもいいように、エアクリーナーをパイピングし、配線もキレイにやり直すという徹底仕様。その上、この日は地面がぬかっていて撮影できなかったが、「2年前に腹下をスリーコートのキャンディで全部塗っているんですね。道悪くなって擦ってキズついてしまったらいやなので、腹下を上げてもらってるんですね。エンジンも上げて、メンバーも上げて、腹下が全部3センチぐらい上がってます」と、ローダウン以外の目的でエンジンを上げるというオーナーは初めてお目にかかったディープインパクト。これは極上のローライダーでしばしば見られる腹下塗装。やっと最近、エンジンメンバーやアーム類、リアのスイングアームなどを塗装するKカーオーナーを見かけるようになってきたが、歩さんはその先駆け。「(和歌山に)帰ったらこのクルマ、ウマかけて下にもぐって全部キレイに拭きます」と、ニコニコ笑う幸せいっぱいの歩さん。クルマへの愛情は、ハンパなく深い。

ボンネットクローズ

DSC_6102.JPGボンネットをクローズした状態のワゴンR。良く落ちたローダウンはただならぬ雰囲気。ただし、あまりにもシンプルなスタイリングからは想像できないディープな話が潜んでいる。

動画:開閉はスリーウェイ




スラムドボンネットの開閉には手間のかかる人もいるが、歩さんの場合はカンタンにできるスリーウェイ。“全開”と“半開”があり、さらにパチっと閉まる“クローズ”の状態がある。動画を見ても判るとおり、カンタン×スムーズに動くのは、製作を担当したローライダーショップ、ブルーライドの手腕。

ボンネットの開閉角度

DSC_6074.JPGDSC_6069.JPGDSC_6059.JPG念のため、3段階の開閉角度を写真で紹介するとこのとおり。「もちろん雨が降っていると開けられないですけど、ポツポツ程度の小雨なら半開でもイケます」。半開の絶妙な開き加減も上々のデキ栄え。

開閉はH型ステーで

DSC_5949.JPGDSC_5951.JPG「このスラムドはわたしのわがままなんですけど、タテに立てたいって言ったんですよ。それをお店が考えてくれたんです」と歩さん。3段階の開閉を実現したのがワンオフのH型ステー。左右2カ所づつに可動するジョイントを設け、スムーズな動きを実現する。

キャッチの役目

DSC_6098.JPG「で、ボンネットの留め具をキャッチのところにひっ掛けると、ボンネットが半開になるんです」。そして“クローズ”時はガチャッとロックする。もう一度動画を見ると、“半開”状態ではキャッチに掛けて一度止めていることが判るハズ。

ボンネット裏も塗装

DSC_5973.JPGさらにボンネット裏も塗装した。「これは2度目の塗装です。以前はラップ塗装をしていたんですけど、似たクルマが出て来て。それで中をキャンディで塗装し直して、ボンネットの裏のフレームを目立たせるようにしたんです。でも、最近これも似たのが出て来たみたいです」と、どーやら歩さんの頭の中では“仕様変更”の四文字が点滅中の様子? 「まぁ、真似されるのはいいことですけどね……」

エンジンルーム、要注目

DSC_5959.JPGDSC_5968.JPGスラムドボンネットのクルマは、ワンオフカバーなどでエンジンルームを隠すオーナーもいるが、歩さんは逆にエンジンルームを見せる方向でドレスアップ。ヘッドカバーはキャンディーオレンジで塗装し、エアクリーナーのパイピングも溶接のキレイさにこだわった。そのうえ「配線も全部キレイに片してもらって」という見せるためのエンジンルーム。このエンジンルームをじっくり見てもらいたい。新車のワゴンRよりもキレイだ。「このクルマで毎日通勤してますよ。でもスピードは出さないですね。もーこの子が大事で大事で仕方ないんで!」。こうなると、もう過保護のお母ちゃんノリ。

セドリック用パルファム風

DSC_6107.JPG「これはモードパルファムの雅夢ですけど、パルファムのセド仕様に似せて作っているんです」というY33、Y34セドリック用のパルファムがモチーフ。MH21雅夢のシャープな開口部を作りかえ、セドリック用に変身させた。同じパルファムエアロでも、Kカーオーナーにはなじみの薄いデザインに作り変えるということ自体シブい選択。

シャンパンゴールドの理由

DSC_6130.JPGヘッドライトのインナーはシャンパンゴールドに塗装した。「ここを塗ったのは1年ぐらい前になるんですけど、そのころはみんなブラックの人が多くて。やっぱり一緒じゃつまらないから。インナーはブラックだけじゃないって。フォグも新品を全部バラして塗ってます」

パンチングメッシュは米国製

DSC_6132.JPG「ヘッドライトを塗る時に、グリルのメッキモールとかスズキのSマークとか、純正のメッキ部をブラッククロームにしたんです。それに合うのがシャンパンゴールドじゃないかなっていうことで。黒にも合わせられる色だし、スーッと似合う。シブいしオシャレ。で、グリルやエアロの開口部に張られたパンチングメッシュもシャンパンゴールドに塗ってます。このパンチングもアメリカから取り寄せてます。って言うのが、いろんなのを見たんですけど、日本で手に入るのは穴がおっきかったりちっちゃかったりで、あたし好みじゃなかって。これだけで結構な値段になってしまいました。もう変なコダワリばっかりあります」。確かに、純正グリルをベースにしたプラスアルファで、ここまで考えるオーナーはそういない。

マフラーはタイコ見せ

DSC_6054.JPGDSC_6046.JPGリアバンパーもパルファム雅夢。ボトムをAライン風に切り上げて、マフラーのタイコがふたつ、横向きに見えるとうレイアウト。しかも左右出しデュアルの出口が「誰よりも小さいφでって頼んで。みんな、結構出口が太いじゃないですか。じゃなくて、小さいのもいいやん!みたいな。誰とも被らんやんって。なんせ被るのが嫌いなんで。ここも磨いていつもキレイにしてます」

フロントのセッティング

DSC_6025.JPG「ロアアームは完全ワンオフです。段差をつけただけだと仕上がりがキレイではないので、アールをかけてキレイにスムージングをしてもらいました」と、普段見えない部分でも、仕上がりは徹底して気を配る。

リアは12度可変

DSC_6033.JPGリアはパルテックのマルチアクスルでローダウン。キャンバー角は12度でセッティング。基本パルテックは10度までだが「特別にやってくれたんですかねえ? 出来るだけ倒したいって話はしてたから。前後の足まわりが出来たのが2年前なんですけど、あのころはここまで倒しているクルマはあまりいなかったし、ボディが黒で目立たないから、インパクトをつけたくてってことで、できるだけ倒すようにしたんです。ホイールも6.5なので、12度っていうとほぼ限界やと思います」

インテリア

DSC_5982.JPG純正ベースのインテリアはパネル類をキャンディ塗装。「なんせオレンジが好きで。これはタンジェリ(赤味がかったオレンジ)って言う色なんですけど、これが一番キレイだったんです」

DSC_5984.JPGDSC_5991.JPGスイッチパネルやドアノブのリングは、オレンジェキャンディに塗装し、その一部にラップをかけるという塗り分け。通常は全体をキャンディにしたりラップ塗装するので、“ラップ塗り分け”というのはありそうで思いつかないやり方。

アメリカ人?

DSC_6115のコピー.jpgインタビューのはじめに名前を訊くと「クリス・アユミです」と言われて、えッ、アメリカの人? 「日本語です。日本人ですよ。栗須って書きます」という和歌山県民の栗須歩さん。あとで考えてみると、ローライダーノリがあるせいか、どこかアメリカノリがハマっていうるようなクリス歩さん。でも、20枚ほどの“わさびのり太郎”をダッシュボードに積み上げているのにはビックリ(イベント風景に写真あり)。「どーぞ持ってってください。おつまみなりますよ!」と、病みつきのご様子。やっぱり栗須歩さんは日本人。


大人のドレスアップは
奥の深いクルマとオーナー

裏ッス16号  in K's B.P.A 2011.10.23

さあかちん  WAGON R MC22S 奈良県/CLUB ROOTS

●エアロ/モードパルファム雅夢加工
●ホイール/パナスポーツレーシングG7 F:16×7.0+17 R:16×7.0-15
●足まわり/ボルドワールド レボIスーパーダウン、ケースペックデジキャン、フロントロアアーム加工
●ショップ/K-ESITION
●前回取材/09年7月26日 DSU大阪


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D-upcar.netの初取材、09年7月の大阪DSUで、実は一番最初に撮影したのがさあかちんのワゴンR。D-upcarにとっては、記念すべきクルマが変身して帰って来た。「去年1年はイベントに出ていなくて、今年リメイクして7月からまた出てきたんです」。そんな2011仕様の変更点は、ホイールとフェンダーと全塗。ただし、キレイにタイヤを包み込むツライチや、マニアなホイールチョイス、限定カラーの色選びなど、かなりディープなさあかちん。「ボディカラーはアウディS5のベルベットパープルっていう色がベースで、ちょっと配合を変えてもらったオリジナルですね」。Sシリーズはアウディの上級グレード。そのボディカラーのベルベットパープルは、アウディの子会社が製作する特別仕様車だけに用意された限定カラーで、その色の存在をしっていること自体ただ者ではない。「だいぶ配合が変わっているので、光の当たり具合で若干ピンクっぽくも見えるんです。この色にしてメッチャ変わりましたねぇ! 引き締まったっていうか、雰囲気がガラっと変わりました」。インタビューをしていて感じるのは、何気ないひと言のレベルがとにかく高いさあかちん。マニアックなホイール選びやレベルの高い足まわりの見せ方。そしてツライチメイクは絶品。見た目以上に奥の深い、ワゴンRとそのオーナーなのだ。

09年夏仕様

DSC_2481.JPG09年7月26日のDSU大阪にエントリーした姿。エアロメイクは、現在の仕様のまま。目に映えるボディカラーはホンダの純正カラーをベースに調合したオリジナルワインレッド。光が当たるとオレンジがかって見える色だ。

いち早く200系マジェスタフォグ

DSC_2763.JPG「エアロは前のままで、新しい加工もなしで、今回ボディまわりでは、フェンダーだけ作り変えしてもらったんです」。09年夏の段階で、センター開口部を天地逆さまに加工。当時はまだKカードレスアップでは珍しい200系マジェスタ(09年3月発売)純正フォグをマウントした。

ベンツVクラスルーバー

DSC_2789.JPGボンネットルーバーは前回仕様からそのままのベンツVクラス純正。2連で埋め込むのもVクラスのデザインそのままだ。

純正部だけシルバー塗装

DSC_2792.JPG「赤いボディのころから塗り分けはシルバーでやっています。ミラーはカバーを被せているんですよ。で、純正のミラー部分だけをシルバーに塗りました。あんまり気づかれないデス(笑)」という“細かすぎて伝わらないカスタム選手権”。ただし「運転してるときはいつも見えます」と、気づいた人だけにオシャレさが伝わるさあかちんの自己満足塗装

マニアックな足まわり設定

DSC_2774.JPG「実は去年1年ホイールで悩んでて、パッとするものがなくって。段リムで、16インチで、5本スポークで、誰とも被らないっていう条件があったんで。それって、もう難しいじゃないですいか! カタログで見て、まわりの人にも聞いて。で、やっとこれを見つけたときは、ゼッタイこれしかないって思ったんです」と、無骨なデザインのホイールは、装着オーナーが希少なパナスポーツレーシングG5。知る人ぞ知る、70年代のレースシーンで活躍した由緒あるメーカーをチョイス。そんなホイールを、オーバーフェンダーでセッティング。「エアサスにはボルドのピロアッパーを新たにつけて、純正のロアアームを2センチ軸上げして、1センチ延長もしてキャンバーを足して、そこに8ミリのスぺーサーで調整してツラ出ししてます。これでだいたい5度ぐらいついてます。フェンダーはくっきりよりも、ナチュラルな方が好きなんです。それにMCにはナチュラルな方が似合うと思って」。そのフェンダーは、アーチがタイヤのウォールを包み込むように作られた見ごたえ十分のツライチなのだ。

大人の段リム

DSC_2814.JPGさあかちんが1年がかりで探し求めた段リム。「16インチで段リムっていうのがなかなかないので、ほんとに欲しかったんです。スピードスターでも段リムは17からになるので」とさあかちん。段リムと言えば、ディスクが小さくなってもいいし、そのせいでホイールが小さく見えてもいいので段リム!と、たいがいはベテランオーナー(それも30代後半の男子オーナー)になってから選ぶリムデザイン。ホイール選びも大人の選択なのだ。

ナット選び

DSC_2786.JPG「ホイールナットはマックガードの紫です」と、ナットメーカーの名前まではっきりと言えるオーナーはそういない。マックガードはカーロックの専門メーカーで、“これだけは外せない”という盗難対策の有名メーカー。当然このワゴンRにもロックナットを使用する。

リアホイールのセッティング

DSC_2801.JPGDSC_2808.JPG「リアは7.0のインセットは-15です」と、ワイド化されたフェンダーにはディープリム、という方程式をしっかりと守る足まわり。「ワイトレ10とスぺーサー5で入ってます」というリムヅラセッティングだ。「フェンダーはドアからアーチ上げして、4、5センチは出てますね。キャンバーはシルクのデジキャンで8度つけてます」。

絶品ツライチ

DSC_2805.JPG7.0のホイールに165/40を引っ張って、フェンダーのアーチが引っ張ったタイヤのサイドウォールに沿うようにして造形されている。つまりツライチを、フェンダーの頂点だけではなく、ラインで合わせるというフェンダーメイク。ツライチ具合を時計の針位置で例えれば、10時半から2時半まで、長い範囲でツライチになるようフェンダーがタイヤを包み込んでいる。これはハイレベルなワイド系オーナーが好むフェンダーメイクで、ワイドフェンダー、引っ張りタイヤ、エアサスという要素を、最大限生かしたツライチなのだ。女子オーナーでここまでやる人はそういない。

09年夏仕様のリアまわり

DSC_2507-1のコピー.jpgリアバンパーに埋めたマークXナンバーポケットは上下のモールのみ塗装。マフラーもシンプルな2本出しビルトインタイプ。当時からツライチをキレイに仕上げていたが、2011仕様と見比べると、今回はフェンダーとタイヤが接するラインをさらに伸ばしてきたことが判る。特にフロントのツライチはかなり作り変えて来た。

リアビュー

DSC_2826.JPGボトムにビルトインされたマフラーは、出口だけチタンに交換。マークXの純正を移植していたナンバーポケットは、今回シルバーで塗り分け。「赤の時からグリルやボンネットのダクトもシルバーにしていたので、今回もシルバーで塗り分けました」。ただし前回使用では上下をモール状に塗り分けていたが、今回はポケット全体を塗装した。

外装第一主義

DSC_2862.JPG「内装はぜんぜんやってません。外装勝負です!」とキッパリ。外装第一主義なのだ。そのうえ派手なクルマが集まったキングオブKカーでは、雑誌社部門の『Kカースペシャル』賞をゲット。「ステージ前にクルマをもってくの知らんかったから。あれがもうメッチャうれしかったですね。いい経験させてもらいました」。とは言え今回は、見た目よりも思った以上にディープなクルマが紹介される“裏ッス!”にアップ。しかも今年2台目の“裏ッス!”オーナーは、2年半にして女子オーナー3台という狭き門。

足まわりを自作で徹底
極低走行のワザが潜んでいる

裏ッス15号  in DSU愛知 2011.4.3

中原 啓介  MOVE LATTE  L550S  滋賀県


●ホイール/タナベSSRプロフェッサーSP3R F&R:16×6.5+32 R:16×7.0+26
●足まわり/ファイナルコネクション車高調加工、ワンオフフロントアーム&リアアクスル


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探究心がクルマを運転しているようなオーナーを発見。それがムーヴラテの中原さん。特に足まわりはアーム類を自作で加工しているのだ。こうした足まわり第一主義の発想は、中原さん自身が最近までサーキットをシビックで走っていたから。結婚を期にレースの世界からは引退したが、“しっかり機能する足まわり”は、走りもドレスアップも共通したポイント。「やっぱり自作ですから何回も失敗してます。インナーとかに当たるところとかも出てくるじゃないですか。だから試行錯誤して研究に研究をかさねて作っているんです」。ここではローダウンの方法はもちろん、中原流のサスセッティングを見てみよう。

DSC_7723.JPGDSC_7731.JPGDSC_7727-1.jpgDSC_7746.JPGDSC_7735-1.JPGDSC_7743-1.JPGDSC_7740.JPGDSC_7716.JPGDSC_7758.JPGDSC_7763-1.JPGDSC_7771-1.JPGDSC_7767-1.JPGDSC_7774-1.JPGDSC_7775-1.JPGDSC_7781-2.jpg
※画像はクリックすると拡大します。

車高調セッティング≫
「足まわりはファイナルコネクションの車高調で、ブラケットをワンオフしています。低くするためバネはタナベの直巻きに換えました。バネ長は140ミリ(本人の記憶が定かではなく152ミリかもしれないとのこと)、バネレートは12キロに上げてます」と、一般には6キロ程度の軽自動車用スプリングにくらべて超ハード。「でも逆に、柔らかいバネで減衰を上げたりプリロードを掛けたりして乗るより、ナンボ12キロって言ってもちゃんとしたメーカーさんのバネなので、ちょっとだけプリをかけて、減衰を柔らかめにして乗った方が、ボクは乗り心地がいいですね。フニャフニャのバネで、ギューッてプリロード掛けて、減衰アホほど上げて走ってるよりは、乗り心地がゼンゼンいいです」。ホイールはプロフェッサーSP3R。「6.5+32ですけど、8ミリスペーサーを入れています。ホンマは+28とかあれば欲しかったんですけど、そういう中途半端なオフセットがなくて。その上のサイズの+19だと車高調と干渉するしハンドルも切れないので」

フロントのロアアーム加工≫
「ロアアームには5センチの段差をつけて、延長加工もしています」。ロアアームに段差をつけるのは、アーム自体の振り角を稼いで、サスペンションをスムーズに動かし、快適に走るなどの利点がある。さらに「フロントのキャンバーは寝ないんで、ロアアームを延長させて倒しました。上だけで寝かすとドライブシャフトがミッションにドン突きしてしまって、壊れたりするので、下(ロアアーム)で12ミリ出したんです。6ミリの鉄板を2枚当てて、合計12ミリ。最初は6ミリの鉄板で試したんですけどドン突きが解消されなくて。それに鉄板て規格があって、7ミリとか8ミリの鉄板てないんですよ。それで12ミリになったんです。もちろんアームで5センチの段をつけたので、トータル12ミリ以上の距離はでていますよね。もっと低い人は6ミリでもイケるかもしれませんけど。タイロッドも長さが足りないので延長しています。このアーム加工で、走りはよくなりましたよ。転がりがゼンゼンちがう。ドライブシャフトにかかってた無理がなくなって、燃費も改善するし、ドライブシャフト自体もドン突きやったときにくらべて痛まなくなりました」

タイヤ位置でフェンダーの巻きこみを防止≫
「実はフロントのロアアームは、パルテックの足まわりを参考にさせてもらいました。とくにパルテックがスゴイなって思ったのが、キャスター(前輪の旋回軸を真横から見たときの角度。キャスター角は後ろにむかってついているので、角度寝かすとホイールは後ろにズレ、立てると前にズレる)を調整して、ホイールをタイヤハウスの前気味におくか後ろ気味に置くか考えたことです。ボクははじめ失敗して、タイヤの位置を後ろにズラして溶接したんです。そうするとハンドルを切ったときに、フェンダーがタイヤに引っ掛かってタイヤハウスの中にグシャッて巻きこんでしまうんですよ。逆にタイヤがフェンダーを押しだすのなら、なんとかなるんですけど、引き込むのはマズいんで。だからパルテックがやっているようにアームを作り変えて、タイヤはフェンダーアーチの真ん中よりも前に1センチくらいズラして、引き込まれないようにしたんです。ズラす幅はちょっとだけですよ。あまり前にしすぎると、やっぱりハンドルが切れなくなるので、微妙な量ですけど。バックのときはフェンダーを巻き込んでいくけど、バックはスピードを出さないので、タイヤがフェンダーに干渉してもすぐハンドルを切ったり止まったりして引き込みを防げるんです。これはパルテックさんのロアアームを参考にして作り直しました」
※短い文章のため説明が難しいが、よく理解したい人は『D-up.参考書』でパルテックを取材した「可変アクスル&ロアアーム」の記事にある「フェンダーを壊さないめのキャスター角」を読んでみよう。タイヤの巻き込み防止について、判り易く解説されている。

ギリッギリのツライチ≫
7.0+26のホイールはかなり深い。「+26はナカナカ入らないですよ。ワイドフェンダーは嫌いなんで、ノーマルフェンダーの出幅で入れたかったのです。ただしアーチは全部切り上げて、インナーも全部底上げしてますけどね。で、鉄板も1枚合わせにして。2枚合わせだと分厚すぎてツラが出ないので」と、ツラ具合に神経を使った。「リムがギリギリ、フェンダーに当たらないセッティングで。だからリムもキズついてないでしょ。クリアランスはホイールの前側で5、6ミリ。後ろ側で4ミリくらいです。もう1ミリ出すと、走行中にリムが当たると思うんです。純正アクスルも左右で6ミリくらい詰めてます。それにあまり詰めすぎるとABSのセンサーの取り付けが出来なくなるのでそれがアクスルをオフセットする限界ですね」と、構造をしっかり理解しての足まわり。「やっぱりストロークさせない方向には持っていっていますけど。たぶんリアでは1センチしかストロークしていないと思うんです。バネはファイナルコネクションのままですけど、これ以上落ちないようにバンプでロックさせてます。だからブッシュの柔らかさ分しかストロークしないですけどね。それ以上ストロークしたら、確実に当たります」

テールランプの新しい形≫
「ラテは珍しいので、市販のテールが売ってないんです。LEDは自分で基盤から絵を描きました。そこにごんた屋さんのLEDを入れて自作です。一番大きいのがストップランプで、これはブレーキを踏むと全部つきますよ。でもポジションの時に全部光るのって面白くないじゃないですか。それで一部部分だけ点灯するようにしました。最近、純正のテールって、そういうクルマが増えてますよね。Cの形にしたのは、フーガみたいにしたくて。それからバックランプ(内側のピンクに灯っているLED)は、右側だけで左側はつけてないです。VWのビートルとかのバックランプはこういう片方だけになっていて、オシャレなんで」と、一部点灯は純正の流行を採り入れ、片側点灯のバックフォグは欧州車からヒントを得る。

センターマフラー≫
「なんとな~くです」というセンター出しマフラー。「ホンマは左出しにしたかったんですよ。でもガソリンタンクが邪魔でパイプを溶接できなくて」。出口はモードパルファムを装着する。

ワクつきLEDリフレクター≫
黒いワクのついたリフレクター片側12発のLEDがマウントされたプレジアティシモ製。

フォグランプ≫
フォグランプは円形のリフレクターを組み、そこにクリアとグリーンのLEDを配置。その周囲にはLEDより高輝度のSMDのイクラリングをまわしている。「はじめピンクにしようかとも考えたんですけど、ボディと一緒にピンクピンクしてしまうとなんかビミョーやな思って、緑つけてみました」

インテリアはカフェラテ≫
純正ブラックを基調に、パネルやシート、内張りなどは、ブラウン系でまとめている。パネルのラップ塗装は自分でおこない、ドア内張りはレザー張り替えのプロショップM.I.Cが施工した。「ボディも含めて最終的に、カフェラテみたいにしたいんです。カフェのラテ!みたいな」という中原さんのドレスアップ計画。

ラップ塗装の完成度≫
ダッシュパネルはラップ塗装。「まずパネルにはブラウンを吹いて、今度はサランラップにシルバーのメッキスプレーを吹いて、それを使って模様をつけて、上から黄色のキャンディを吹いて、最後にクルマのボディ用のウレタン塗料で仕上げてます。ウレタン2液の塗装なので、安物のクリアよりも陽焼けしづらいし、ボコボコになりづらいし、変色もしづらい。持ちがいいですよ」

ナルディ重視!≫
ステアリングは往年のメーカー、ナルディをチョイス。「シビック乗ってたときの名残もあるし、クラシックのデザインが大好きなんで。毎日通勤に使ってると、そういうところの乗り心地も重要なんです」

いっぱのダイヤキルト≫
シートカバーはグレイスのダイヤキルトマキシムエディションを装着。その名のとおり、ダイヤキルトを最大限に採り入れたデザインがウリ。

M.I.C製作≫
「ここの縫い目はM.I.Cさんにやってもらいました。基本自分でなんでもやってますけど、ステッチは無理ですネ」と、珍しく降参の中原さん。

ステッチラインに脱帽≫
「見て下さい! ここの、こんなトコとか、自分じゃ縫えないですよ!」と言うのは、ドアノブ周囲の丸いリングに合わせた半月形のステッチライン。こういう細部の縫い込みは、プロにお願いするしかない。

走りの知識が役立ってます≫
ひとつひとつの部分には、理由やヒネリや微調整が潜んでいるムーヴラテ。そのうえ、ほぼ自作で仕上げているのもスゴイ。元シビックオーナーで、サーキット走行をしていた知識と経験が、足まわりの微妙なセッティングに活かされている。ここ2年ほど、走り系のショップやオーナーたちがKカードレスアップにも進出。走りとドレスアップという垣根を越えてやってきた中原さんのような人たちが、実は足まわりの進化にひと役買っているのだ。